プレスリリース・お知らせ

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これらは当該品のプロモーション、広告、医療上のアドバイスを目的としたものではありません。

NEWS 2009

2009年07月17日 研究開発
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肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療剤(開発記号:NS-304)の、欧州における前期第二相臨床試験終了と第三相臨床試験移行のお知らせ

 日本新薬が、昨年4月にアクテリオン社(本社:スイスAllschwil、最高経営責任者Jean-Paul Clozel, M.D.)と導出に関するライセンス契約を締結した肺動脈性肺高血圧症注1)(PAH)治療剤(開発記号:NS-304)について、アクテリオン社が欧州で実施していた前期第二相臨床試験が終了し、第三相臨床試験へ移行することになりましたのでお知らせいたします。

 なお、以下のリリース文は、アクテリオン社が実施したプレスリリースを参考までに和訳したもので、内容についてはオリジナルの英文が優先することをご了承ください。

(ご参考)
アクテリオンのPGI2受容体アゴニストが肺動脈性肺高血圧症患者において有効性を示す
―罹病率・死亡率を評価項目とする第三相臨床試験を年末までに開始予定―

ALLSCHWIL、スイス―2009年7月17日―  アクテリオン(SIX: ATLN)は本日、ファースト・イン・クラスの経口非プロスタノイドPGI2受容体アゴニストの肺動脈性肺高血圧症(PAH)患者を対象とする前期第二相臨床試験において、良好なデータが得られたと発表しました。

有効性、安全性、忍容性を評価するプラセボ比較二重盲検試験(患者43例)において、主要評価項目である肺血管抵抗(PVR)のベースラインからの変化は、統計学的有意差(P<0.01)をもって達成されました。この臨床試験における化合物の忍容性は良好でした。

アクテリオンの最高経営責任者であるJean-Paul Clozel, M.D.は次のように述べています。「私たちのパートナーである日本新薬ともども、この試験で認められた注目すべき結果に非常に興奮しています。私は特に、エンドセリン受容体アンタゴニスト及び/またはPDE-5阻害剤との併用において有効性が得られたことに喜びを感じます。有効性と良好な忍容性が確認されたことにより、私たちは開発プログラムを加速させることを決定しました。」

今回の良好な結果を受け、この最初の経口非プロスタノイドPGI2受容体アゴニストは第三相臨床試験に進みます。この進め方については、試験実施中に既にFDAと協議し合意しています。アクテリオンは今後速やかにFDAと交渉し、罹病率/死亡率を評価項目とする第三相臨床試験のデザインを最終化します。その後、アクテリオンは年末までに第三相臨床試験を開始する予定です。

Jean-Paul Clozelは次のように結論付けています。「医学界はこの30年間、忍容性が良好かつ有効な、プロスタサイクリン経路を刺激する経口の治療薬開発を目指して努力してきました。私はそう遠くない将来、この非常に重篤な疾患の治療に、私たちの PGI2受容体アゴニストが大いに貢献することを強く願っています。」
(以上、アクテリオン社のリリース文を和訳)


NS-304は、日本新薬が創製した、経口投与後血中濃度が長時間持続するプロスタグランジンI2(PGI2)受容体アゴニスト注2)であり、有用性の高い新規のPAH治療剤となることが期待されます。国内では第一相臨床試験が終了しており、現在当社とアクテリオン社は、共同で実施する第二相臨床試験の準備を行っております。


<参照>
注1)
肺動脈性肺高血圧症は、心肺間の動脈における血圧が異常な上昇を来たした、慢性的な疾患で、原因が不明の原発性と特定の疾患(膠原病や先天性心疾患等)に伴う二次性肺高血圧症に分類されます。

注2)
「PGI2受容体アゴニスト」は、血管内のPGI2受容体を刺激し、血管拡張作用をもたらします。

アクテリオン社についての問い合わせ先:
Roland Haefeli
Vice President, Head of Investor Relations & Corporate Communications
Actelion Pharmaceuticals Ltd, Gewerbestrasse 16, CH-4123 Allschwil
+41 61 565 62 62
+1 650 624 69 36
http://www.actelion.com