プレスリリース・お知らせ

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NEWS 2014

2014年06月16日 研究開発
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肺動脈性肺高血圧治療薬NS‐304の国外第3相臨床試験の結果のお知らせ

アクテリオン社(スイス)が日本を除く全世界で実施していた、肺動脈性肺高血圧症を対象とした第3相臨床試験(GRIPHON試験)において、セレキシパグ(開発記号:NS-304)は有効性の主要評価項目を達成しました

 日本新薬株が創製し、2008年4月にアクテリオン社(本社:スイスAllschwil、最高経営責任者Jean-Paul Clozel, M.D.)に導出したセレキシパグ(開発記号:NS-304)について、このたびアクテリオン社が日本を除く全世界で肺動脈性肺高血圧症患者を対象に実施していた第3相臨床試験(GRIPHON試験)が終了し、有効性の主要評価項目を達成しましたのでお知らせします。アクテリオン社は今後、本結果を踏まえて世界各国での承認申請を速やかに行います。

以下のリリース文は、アクテリオン社のプレスリリースを参考までに和訳したものです。内容についてはアクテリオン社のオリジナルの英文が優先することをご了承ください。


(ご参考)
肺動脈性肺高血圧症(PAH)を対象としたピボタル第3相臨床試験(GRIPHON試験)において、セレキシパグは主要評価項目を達成

 アルシュビル、スイス - 2014年6月16日 - アクテリオンは本日、1,156例の肺動脈性肺高血圧(PAH)患者を対象としたセレキシパグのピボタル第3相試験(GRIPHON試験)の主要結果を発表しました。セレキシパグは初めての経口投与可能なIP受容体選択的作動薬です。初期の解析において、イベント観察型の本試験は高い統計学的有意性をもって主要評価項目を達成しました。

 セレキシパグは、病態悪化/死亡のイベント発生リスクをプラセボ群に比較して39%抑制しました(p<0.0001)。
主要な部分集団(年齢、性別、WHO機能分類、PAHの病型及びPAHの基礎治療)を通して一貫して有効性が認められました。投与期間は最長4.3年に達しました。GRIPHON試験におけるセレキシパグの総合的な忍容性は、プロスタサイクリン治療におけるそれと一致していました。


 アクテリオンCEOのJean-Paul Clozelは以下のように述べています。「80%の症例が経口PAH治療剤の投与を既に受けている状況下でセレキシパグを評価した、この長期投与試験の結果に、私は圧倒されています。我々のパートナーである日本新薬と共に、プロスタサイクリン経路に作用する有効な経口治療のPAHの患者さんへの提供に向けて、我々は一歩近づきました。規制当局への承認申請を可及的速やかに行うことを目標に、我々は解析を完了させるべく鋭意努力する所存です。」

 Paris-Sud大学(フランス)肺病態学教授で肺疾患部門および集中治療室の責任者であり、ステアリングコミッティーのメンバーであるGérald Simonneau医師は、以下のように述べています。「私は、ほぼ20年に渡りPAH患者にプロスタサイクリン静注剤を処方してきました。本日のGRIPHONの結果は、大きな進歩を示しています。セレキシパグによって初めて、臨床的意義の高いエンドポイントにおいて有意なリスクの低下を示し、プロスタサイクリン経路を活性化する経口剤を手にすることになります。」

 アクテリオンのグローバル臨床開発部門責任者であるGuy Braunsteinは、以下の通りコメントしました。「PAHの患者さんに、長期投与試験への参加への感謝を申し上げたい。それにより、アクテリオンにとって2度目の病態悪化/死亡(イベント)を指標としたこの試験の実施が可能になりました。我々はデータ解析に着手したばかりですが、本日得られた主要な結果は素晴らしいものです。忍容性に応じて、個々人でセレキシパグの用量漸増を行うというコンセプトは成功し、一連の用量範囲で一貫した結果が見られています。」

 ミシガン大学循環器科 肺高血圧プログラムの部長であるVallerie McLaughlin医師は以下のように述べています。「この長期試験における主要な部分集団に対し、一貫して有効性が見られたことを考慮すると、セレキシパグによって、プロスタサイクリン経路の治療対象が多様な患者群へ広げられる可能性があるとGRIPHON試験の結果から見込まれます。加えて、確固たる病態悪化/死亡の定義 -第4回及び第5回の肺高血圧症ワールドシンポジウムにより推奨されている- にしたがって実施された治験が、臨床上真に意味のある情報をもたらす可能性を、GRIPHON試験は改めて示しました。」


 なお、詳細な試験結果は、近く開催される学会ならびに学術誌での学術的な発表を通じて公表される予定です。


以上