『植物こぼれ話』

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オオバシダソテツ

Stangeria eriopus (Kunze) Baill.(Stangeriaceae/スタンゲリア科)
オオバシダソテツ
オオバシダソテツ

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南アフリカ共和国の東海岸の沿岸部にだけ生育している1科1属1種植物のオオバシダソテツ(Stangeria eriopus)の標本を調査したG. Kunzeは葉の形態からシダ植物に分類してLomaria coriaceaという学名を与えました。その後1851年にオオバシダソテツの生きた個体をDr. Max Stangerがイギリスに送り育生したところ、なんと驚いたことに、その植物は胞子を作らずに地面の下から、もこもこと球花を出したのです。慌てて植物学者達は分類をシダ植物から裸子植物に変更し、学名をDr. Max StangerにちなんでStangeria paradoxaとしました。Paradoxとは逆説ですから、シダの葉をもつソテツ類という矛盾した意味を込めたのです。しかし種小名は一般に、その植物の特徴を表現したほうがいいということで、学名はStangeria eriopusに改正されました。Eriopusとは軟毛が多いという意味で、新葉が毛で覆われていることからきています。

オオバシダソテツは丈夫な植物で、夏の暑さや冬の寒さにも平気なので栽培は簡単です。ただし、戸外で育てると風のせいで葉柄が倒れるという欠点があるので、残念ながら無加温のガラス室が必要です。水遣りも簡単で出葉した時だけ十分に灌水すればよく、冬場はほとんど必要ありません。株分けも非常に易しく、鉢の植え替えをすると地中生の幹が自分で小さな幹の先を分離しますので、その部分を土の中に埋めておけば、時がくるとワラビのような新葉を出します。一点だけ気を付けなければならないことがあります。新葉はとても柔らかく薄いので真夏の直射日光に曝されると枯れてしまいますので、どうか注意してください。

  • 幹をもつ古株(オオバシダソテツ)
    幹をもつ古株(オオバシダソテツ)
  • 幹をもたない若株(オオバシダソテツ)
    幹をもたない若株(オオバシダソテツ)
  • オオバシダソテツの雄花序(2006年11月撮影)
    オオバシダソテツの雄花序(2006年11月撮影)

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