用語集

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【あ行】

▼ アルコール依存症

 長期間、大量に飲酒を続けることで進行し、しだいに飲酒なしではいられなくなる疾患で、イライラする、不安になる、手が震える、夜眠れない、汗をかく、食べたものを吐くなどの離脱症状がみられます。治療が必要な患者数は約109万人と推計されています。

▼ アンチセンス核酸

 mRNAあるいはmRNA前駆体の標的配列に相補的な約20~30塩基からなる1本鎖の合成核酸で、核酸医薬品のなかの1つのタイプです。核酸医薬品には、アンチセンス、siRNA、miRNA、アプタマー、デコイオリゴ核酸などが知られています。

▼ アンメット・メディカル・ニーズ

 いまだ治療法が確立されていない医療ニーズ。

▼ エクソン・スキップ薬

 アンチセンス核酸を用いて、タンパク質に翻訳されるmRNAの領域(エクソン)の一部を人為的に取り除く(スキップする)薬剤で、アミノ酸読み取り枠のずれを修正します。正常なタンパク質に比べると、その一部が短縮するものの、機能を保ったタンパク質が発現し、機能の改善が期待できます。

▼ エンドセリン受容体拮抗薬(ERA:Endothelin Receptor Antagonist)

 血管を収縮させる働きを持つ体内物質エンドセリンは、エンドセリン受容体に結合することで作用し、肺高血圧症の患者さんの体内に多く存在しています。ERAは、このエンドセリンとエンドセリン受容体との結合を阻害する薬剤です。エンドセリン受容体にはAとBの2種類があり、AとBの両方の受容体を阻害するマシテンタン、ボセンタンと、A受容体を阻害するアンブリセンタンがあります。

▼ 欧州医薬品庁(EMA:European Medicines Agency)

 欧州における医薬品の販売承認と治験に必要な手続き、申請、試験などを行う機関。

▼ オピオイド受容体作動作用

 オピオイド受容体に作用して、脊髄における感覚神経による痛覚伝達を抑制したり、脳内の痛覚情報伝導経路の興奮を抑制することで鎮痛作用を示します。代表的な薬物として、モルヒネなどがあります。

【か行】

▼ 核酸医薬品

 遺伝子の構成成分である核酸の構造を持ち、疾患の原因になる遺伝子を標的とする薬剤です。その遺伝子から作られるタンパク質の産生を止める、または調節することで効果を発揮します。従来の低分子医薬品では難しかった疾患の治療が可能になると期待されており、特異性が高く安全性の面にも優れることから、次世代の医薬品といわれています。

▼ 肝中心静脈閉塞症(VOD:Veno-Occlusive Disease)

 造血細胞移植の前処置に用いられた大量の抗がん剤や放射線照射により、肝臓の循環障害が引き起こされて発症します。体重増加、有痛性肝腫大、腹水、黄疸などの症状がみられ、重症の場合は多臓器不全により死亡率が80%に至る重篤な疾患です。患者数は約400人と推計されています。

▼ 希少疾病用医薬品(Orphan Drug)

 患者数の少ない難病などの治療で、医療上の必要性が高い医薬品を指します。希少疾病用医薬品として指定を受けた医薬品などは、厚生労働省、独立行政法人医薬品医療機器総合機構によって、優先的な治験相談および優先審査の実施と再審査期間の延長の優遇処置が受けられます。

▼ グルタミン酸作動性神経活動

 グルタミン酸は脳内の主要な興奮性の神経伝達物質のひとつ。脳内神経が刺激されることでグルタミン酸の遊離が促され、グルタミン酸受容体を介して刺激は伝達されます。アルコール依存症では、グルタミン酸作動性神経の活動が亢進し、興奮性神経伝達と抑制性神経伝達の間に不均衡が生じると考えられています。

▼ 月経困難症

 生理期間中に生理に伴って起こる病的症状のこと。
下腹部痛、腰痛など一般的に生理痛と呼ばれるものに加え、おなかの張り、吐き気、頭痛、疲労、脱力感、食欲不振、イライラ、下痢および憂うつなども含まれます。 患者数は約800万人と推計されています。

▼ 骨髄異形成症候群(MDS:Myelodysplastic syndromes)

 高率で白血病への移行がみられる予後不良の難治性疾患で、主な症状には、貧血による全身倦怠感、白血球減少による易感染性、血小板減少による出血傾向が挙げられ、患者数は約1.2万人と推計されています。

▼ 骨髄線維症(MF:Myelofibrosis)

 骨髄の広い範囲に線維化がみられる病気です。患者数は日本に約1,000人と推計されています。骨髄の線維化は、骨髄で増殖している血小板の母細胞である巨核球から線維芽細胞増殖を促す因子が産生放出されることに起因していると考えられています。

【さ行】

▼  先駆け審査指定制度

 有効な治療法がなく命に関わる疾患に対し、革新的医薬品などを世界に先駆けて日本発で早期に実用化すべく国内での開発を促進する制度です。本制度の目的は、薬事承認に関する相談・審査で優先的な取扱いをすることで、日本における承認審査の期間を短縮することです。

▼ JAK2阻害薬

 造血幹細胞内のヤヌスキナーゼ2(JAK2)に強く結合してJAKの働きを阻害することにより、脾臓の腫れ(脾腫)を小さくしたり、骨髄線維症の症状を改善したりすることが期待できる薬剤です。

▼ 前立腺肥大症に伴う排尿障害

 加齢とともに前立腺が肥大化することで尿道が圧迫され、排尿に支障をきたす疾患です。主に50歳以上の男性に現れますが、「尿に勢いがない」、「尿が出にくい」、「夜間に何度もトイレに起きる」など、その症状はさまざまです。

【た行】

▼ 鉄欠乏性貧血

 体内に鉄が不足することにより、十分にヘモグロビンを生産できなくなることで生じる貧血です。細胞のエネルギー生成不足により疲労感や頭痛、動悸や息切れなどの症状が現れます。その原因は、過多月経や産後の出血、消化管出血、あるいは慢性腎疾患などさまざまです。患者数は約78万人と推計されています。

▼ デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD:Duchenne Muscular Dystrophy)

 ジストロフィン遺伝子の異常により、筋細胞の膜を保護するジストロフィンタンパク質が失われる遺伝性筋疾患で、筋ジストロフィーのなかでも最も頻度が高く、男児3,500人に1人の割合で発症します。2-5歳ころに転びやすい、早く歩けないなどの症状で気づかれ、その後筋萎縮や筋力低下が進行します。10歳代前半までに自立歩行不能、車椅子生活となり、一般的には20-30歳代で呼吸不全あるいは心不全で亡くなるとされています。現在、進行の経過を遅らせるステロイド剤以外に、有力な治療法は存在せず、新たな治療法の開発が期待されています。

【は行】

▼ 肺動脈性肺高血圧症(PAH:Pulmonary Arterial Hypertension)

 患者の心臓および肺の間の動脈の血圧が異常に高いことによって特徴づけられる慢性かつ生命を脅かす疾患です。PAHの症状は非特異的であり、日常生活における軽度の息切れおよび疲労感といったものから、右心不全および身体活動の厳しい制限、そして最終的には平均余命の短縮などさまざまです。患者数は1万人~2万人と推計されています。
PAHは肺高血圧症(PH)の分類のなかの一つのグループです。このグループには特発性PAH、遺伝性PAH、および結合組織病、HIV感染症ならびに先天性心疾患などにより引き起こされるPAHがあります。
最近の10年間でPAHの病態生理学的な理解が大きく前進し、治療ガイドラインおよび新しい治療法の開発が平行して行われています。PAHの病因として確立されている3つの機序を標的とした薬剤として、エンドセリン受容体拮抗薬(ERA)、プロスタサイクリン受容体(IP受容体)作動薬およびPDE5阻害薬(ホスホジエステラーゼ-5阻害薬)があります。PAHの治療は、10年前の運動耐容能の症状に基づいた改善から、今日では病気の進行を遅らせることに変わりました。PAHに対する認知度の向上および無作為化比較試験成績をもとに作成されたエビデンスに基づいたガイドラインは、早期治療介入、治療目標指向の治療および併用治療の必要性を強調しています。

▼ 非ホジキンリンパ腫(NHL:Non-Hodgkin lymphoma)

 リンパ節が腫大する悪性リンパ腫で、腫瘤の特徴は無痛です。国内罹患数は約2.4万人と推計されています。

▼ ファストトラック指定

 完治が難しい疾患に対し、高い治療効果が期待できそうな新薬を米国食品医薬品局(FDA)が優先的に審査する制度です。

▼ IP受容体作動薬

 IP受容体は、プロスタサイクリン(PGI2)が結合することによって血管拡張などに働きます。肺高血圧症の患者さんではこの働きが弱まっています。IP受容体刺激薬は、PGI2と同様にIP受容体に結合し、血管拡張作用などを示す薬剤です。

▼ プロダクト・ライフ・サイクル・マネジメント

 医薬品の新規開発が一層困難な状況にあるなか、既存製品の製品価値を向上させ、製品寿命を延ばす方法としてプロダクト・ライフ・サイクル・マネジメント(PLCM)があります。製品価値を向上させる方法として、効能追加や剤型追加があります。

▼ 米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)

 アメリカ合衆国保健福祉省(Department of Health and Human Services, HHS)配下の政府機関。食品や医薬品など、消費者が通常の生活を行うにあたって接する機会のある製品について、その許可や違反品の取締りなどの行政を専門的に行います。

▼ 閉塞性動脈硬化症(ASO:Arteriosclerosis Obliterans )

 主に足(下肢)の動脈に動脈硬化が起こり、狭くなるか詰まるかして、足を流れる血液が不足し、それによって痛みを伴う歩行障害が起きる血管病です。患者数は約200万人と推計されています。

▼ 勃起不全(ED:Erectile Dysfunction)

 勃起が起こらないケースはもちろんのこと、硬さが不十分、勃起状態が維持できないなど、満足な性交が行えるだけの勃起が得られない状態を指します。

▼ PDE5阻害薬(ホスホジエステラーゼ-5阻害薬)

 PDE5と呼ばれる酵素は、肺の血管に多く分布しており、血管を拡張させる体内物質サイクリックGMP(cGMP)を分解します。PDE5阻害薬は、このPDE5によるcGMPの分解を阻害し、cGMPの働きを強めて肺の血管を拡張させる薬剤です。

【ま行】

▼ 慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH:chronic thromboembolic pulmonary hypertension)

 器質化した血栓により肺動脈が慢性的に閉塞を起こし、肺高血圧症を合併し、臨床症状として労作時の息切れなどが起こる病気です。患者数は約3,200人と推計されています。

▼ 慢性疼痛

 病気や怪我の治癒、あるいは明らかな身体的異常が解消したにもかかわらず数カ月以上にわたって続く痛みや、治癒が困難な慢性疾患により長時間持続する痛みです。

【や行】

▼ 腰部脊柱管狭窄(LSS:Lumbar Spinal canal Stenosis)

 腰部の骨の変形などにより、脊柱管内にある神経が、慢性的な圧迫を受け、それとともに神経周辺の血流が低下して、神経性の間欠跛行、下肢の疼痛、痺れなどの症状が現れる疾患です。患者数は約186万人と推計されています。

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