デュシェンヌ型筋ジストロフィーの概要

筋ジストロフィーとは?

筋ジストロフィーとは、筋肉が壊れやすく、筋肉の再生が追い付かなくなる病気です。
そのため、筋力が徐々に低下し、運動機能など、さまざまな機能に障害が起こります。

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筋ジストロフィーは原因や症状によってさまざまな種類に分類されます。

■主な筋ジストロフィーの分類

病気の型 性別 症状がでる年齢
デュシェンヌ型 主に男性 幼児(3~5歳ごろ)
ベッカー型 主に男性 小児~成人
先天性(福山型など) 男性及び女性 新生児~乳児
肢帯型 男性及び女性 小児~成人
顔面肩甲上腕型 男性及び女性 小児~成人

デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、筋ジストロフィーの中で最も発症頻度が高い病気で、体の中心に近いところから筋力低下の症状が現れることが特徴です。

デュシェンヌ型筋ジストロフィーとは?

デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、タンパク質の設計図である遺伝子に変異があり、「ジストロフィン」というタンパク質が作られなくなる病気です。
ジストロフィンタンパク質は筋肉に存在し、筋肉の細胞骨格を維持する役割を担っています。ジストロフィンタンパク質が作られないと、筋肉が壊れやすく、再生が追い付かなくなるため、徐々に筋力が低下していきます。その結果、運動機能などさまざまな機能に障害が起こります。

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遺伝子の変異はどのように起こりますか?

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デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、突然変異によっても生じていることが報告されており、必ずしも遺伝によって発生する病気ではありません。遺伝子は私たちの体の中で染色体という形をとって、存在しています。染色体の1つに性別を決定する性染色体(X染色体とY染色体)があります。男性はX染色体とY染色体を1本ずつ、女性はX染色体を2本持ちます。
ジストロフィン遺伝子はX染色体上に存在します。女性の場合、片方のX染色体に遺伝子変異があっても、もう一方にある遺伝子が正常であれば、一般的にはデュシェンヌ型筋ジストロフィーを発症しません。しかし、男性にはX染色体が1本しかないため、その中に遺伝子変異があれば、病気を発症します。そのため、デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、主に男児にみられます。

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの症状

症状の現れ方には個人差がありますが、体の中心に近いところから筋力の低下が起こります。
病気が進行すると、運動するための筋肉だけではなく、さまざまな機能が弱くなってきます。
気になる症状が現れた場合は、早めに医師に相談するようにしましょう。

初期にみられる症状や所見

  • 立ち上がる際に、ひざを手で押さえながら体を起こしていく
  • ゆらゆらと体を揺らしながら歩く
  • つま先で歩く
  • ふくらはぎが太い
  • クレアチン・キナーゼ(CK)の値が高い
  • 肝酵素(ASTやALT)の値が高い

運動機能の低下によってみられる主な症状

3~5歳ごろ

走れない、転びやすい、ジャンプができない

運動機能が徐々に低下

10歳ごろ

歩くことが難しくなる

症状の進行を抑えるための処置

  • リハビリテーションストレッチやマッサージをすることで、筋肉の動きを保ち、関節が硬くなることをある程度予防することができます。
  • ステロイド療法筋力低下の進行を遅らせることで、歩行が可能な期間を延長できる可能性があります。
  • エクソンスキッピング療法変異した遺伝子に作用し、ジストロフィンタンパク質を発現させる新しい治療法です。

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