WORK & PEOPLE 医薬品研究職WORK & PEOPLE 医薬品研究職

私がやること

有効性も、安全性も併せ持つ、新しい化合物をデザインする。有効性も、安全性も併せ持つ、新しい化合物をデザインする。

YAKUSHIJI HIROYUKI 藥師寺 宏幸YAKUSHIJI HIROYUKI 藥師寺 宏幸

研究開発本部 創薬研究所 探索研究部 2017年入社 理学部化学専攻修了研究開発本部 創薬研究所 探索研究部 2017年入社 理学部化学専攻修了

YAKUSHIJI HIROYUKI 藥師寺 宏幸YAKUSHIJI HIROYUKI 藥師寺 宏幸

独自の道を選んだ理由 REASON独自の道を選んだ理由 REASON

くすりがなければ、治療できない病気もある。病気と闘うための武器を届けたい。くすりがなければ、治療できない病気もある。病気と闘うための武器を届けたい。

小学生の頃に聞いた、「病気を治療するには薬が必要だが、有効なくすりが現存しなければ、治療できない病気もある」という医師の言葉が、ずっと胸の中に残っていました。「くすり」というものは病気という敵に対して闘うための「武器」のようなもの。その武器が無くて困っている患者さんやご家族、医療従事者の力になりたい。
そんな想いを抱いていた私は、企業説明会の場で、新薬の研究にかける熱い想いを語ってくださった研究者さんの姿勢に惹かれ、日本新薬への入社を決意しました。
創薬とは、病気と闘える武器の選択肢を、ひとつでも多く世の中に提供すること。その出発点となる探索段階を研究者として担えることに、やりがいを感じています。

挑戦と成長 CHALLENGE挑戦と成長 CHALLENGE

くすりらしく、なりうるか。見極める目と諦めない姿勢で、挑み続ける。くすりらしく、なりうるか。見極める目と諦めない姿勢で、挑み続ける。

入社1年目、あるプロジェクトで、くすりの候補となる化合物の最適化を任されました。望む標的に対してはより強く作用しながらも、副作用を避けるために望まない標的には作用しない化合物を見つけ出す必要があり、なかなか思うような化合物が得られず頭を悩ませました。先輩たちのアドバイスやさまざまなパラメータを参考に何度も化合物デザインに挑戦した末に、強い主活性と高い選択性を有する望ましいプロファイルの化合物を見出すことができたのです。ちょっとした変化も見逃さない観察力と、諦めずに創意工夫を重ねることの大切さを学びました。

ゼロからスタートした、創薬の研究。「合成」と「薬理」の両輪を磨き、貢献したい。ゼロからスタートした、創薬の研究。「合成」と「薬理」の両輪を磨き、貢献したい。

探索した化合物がくすりとして世に出る確率は2万〜3万分の1とも言われ、簡単に結果を出せる仕事ではありません。思い通りにいかないことも日々たくさんあります。けれども研究所は困難に諦めることなく前向きに挑戦する雰囲気に満ちていて、さまざまな専門性を持つ研究者たちから活発な意見が飛び交っています。私は理学部出身で「合成」については大学で学んできましたが、創薬についてはゼロからのスタート。先輩たちから日々多くのことを学びながら薬理の知識を磨き、そこに合成の知見を掛け合わせることで、研究者としての独自性を発揮し、チームにさらに貢献していきたいと考えています。

医薬品研究職という仕事 ABOUT医薬品研究職という仕事 ABOUT

くすりを届けるために、みんなでハードルを乗り越える。くすりを届けるために、みんなでハードルを乗り越える。

くすりの種となる化合物を探し出し、くすりとして臨床試験で初めてヒトに投与するまでには、培養細胞や実験動物を用いた有効性や安全性の確認、品質の確保、工業生産化など、数々のハードルを乗り越えなければなりません。
化合物を合成し、細胞や動物での評価からヒトでの有効性を予測する「探索研究部」。化合物の安全性や体内動態(投与後どのように吸収、排泄されるのか)を評価する「安全性・動態研究部」。くすりの大量合成方法や品質の確認方法、適切な剤形でのくすりの製造方法などを確立する「CMC技術研究部」。日本新薬の本社地区研究所ではこれら3つの部門が連携して、ハードルをひとつずつ乗り越えようとしています。

「医薬品研究職」を紐解く5つのキーワード「医薬品研究職」を紐解く5つのキーワード

1

テーマ起案

創薬標的や医療ニーズを調査し、治療のコンセプトを設定し、新たな開発テーマを提案することから創薬が始まります。日本新薬では研究員からのボトムアップ型の提案により起案に結び付けています。

2

評価系構築

治療コンセプトに合致する化合物を選定するために、化合物が持つ有効性などを評価する試験系を構築します。

3

化合物スクリーニング

新規化合物を合成し、有効性、安全性などを評価して、それらの情報をもとにまた新たな化合物を合成し、評価します。これを繰り返して優れた化合物を創り出し、最終的にくすりの種となる候補品を選定します。

4

候補品に関するデータの取得

疾患モデル動物などを用いた有効性の評価や、ガイドラインに定められた安全性試験などを実施することで、ヒトに投与しても有効かつ安全であることを着実に推定していきます。また溶解性や安定性などのデータも取得します。

5

工業化検討

候補化合物を安全かつ大量に合成できる方法やその品質の確認方法、錠剤などのくすりの形にする方法などを確立し、生産部門に橋渡しをします。

藥師寺 宏幸さんに質問 QUESTIONS藥師寺 宏幸さんに質問 QUESTIONS

Q. 大学(大学院)では、どんなことを勉強していましたか?
研究室では天然物(※生物が産生する有機化合物。特徴ある生理活性を持つものが多く知られている)の全合成研究をしていました。さまざまな化学反応を駆使して目的の化合物を作っていきますが、天然物は複雑な構造を有しているため、合成には苦労しました。その時身につけた有機化学の基礎知識や工夫をする姿勢は今でも活かされています。
Q. 採用面接では、どんなことを話しましたか?
経歴や研究内容に加え、これまで努力してきたことや辛いことを乗り越えた経験についても話しました。また、企業説明会や縁日を通じて、日本新薬をよく知ることもできました。
Q. 入社前に「これを準備しておくといい」ということはありますか?
大学での研究活動にしっかりと向き合い、基礎的な知識を身につけておくことだと思います。また、自分の強みや他人と違うところを理解し、欠点や弱みについてはきちんと謙虚に受け止めておくことが大切だと思います。
Q. 配属先が決まって、いちばんはじめに担当した仕事は?
リード化合物の最適化を行いました。活性や選択性、代謝安定性、安全性など、すべてをバランスよく兼ね備えた化合物を見つけ出すために試行錯誤を重ねました。
Q. 仕事で行き詰まった時は、どうしますか?
まずは思考回路を変えるように心掛けています。ちょっとしたことがブレイクスルーにつながることもあるので、何かしら行動するようにしています。また、部活動で汗を流したり、友人と食事をしたりしてリフレッシュするようにしています。
Q. プライベートでは、どんな風に過ごすことが多いですか?
会社のサッカー部に所属し、本社にある芝のグラウンドで終業後や週末は体を動かしています。ふだんの業務では関わることの少ない方とも交流ができ、心も体もリフレッシュできます。休日にはゆっくり本を読み、のんびり過ごしています。
Q. 入社してよかったと思うのは、どんな時ですか?
職場環境にとても恵まれ、人間関係で悩むことも少ないです。仕事は忙しいですが、面白さもあり、患者さんの助けにつながる研究に携われることにやりがいを感じています。
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