将来の重病を示唆するマーカー EDの治療こそみなぎる活力の源泉

東邦大学医学部泌尿器科学講座
リプロダクションセンター教授 医学博士

永尾 光一 先生
(ながお・こういち)

昭和大学大学院医学研究科修了。形成外科および泌尿器科専門医。EDや、生殖医学領域の形成外科的手術を含む男性不妊治療に注力。2009年より現職。著書に『EDは治療で治る病気』ほか。

ED(勃起障害)の陰に潜んださらなる危険性を、中高年男性は認識しておいたほうがいい。その詳細とリスク回避への道について、東邦大学医学部泌尿器科学講座・教授で、同大学医療センター大森病院のED・男性不妊外来を担当する永尾光一先生に聞いた。

40代の5人に1人がED50代では2倍に増加

 40代以上の読者諸氏は、きっと企業をはじめ組織の中核層として日々活躍し、最高レベルの責任さえ負う立場にあることだろう。その半面、いろいろと体の衰えを感じざるを得なくなってきたことも否めないのではなかろうか。
 ED(勃起障害)も40代を迎えると有病率のアップが顕著で、中高年男性にとって他人事ではすまなくなる。まずEDの定義を、東邦大学医学部泌尿器科学講座・教授の永尾光一先生が次のように説明してくれた。
 「専門的にいえば、EDは『性交時に十分な勃起が得られないため、あるいは十分な勃起が維持できないため満足な性交が行えない状態』です。円満な夫婦関係のためには、たとえ月に1回、半年に1回でも性行為を続けるのがいいでしょう。また、女性側が望むタイミングに合わせることも大切です。それがEDとなると難しくなりますね。治療を受けているかどうかは別として、日本におけるED患者さんの数は約1,130万人といわれています」
 患者数は東京都の全人口に迫ろうかというほどだから決して少なくない。これには「たまに勃起できる」「性交中の勃起は維持できる」という中等度EDも含まれており、「40代の5人に1人」「50代の2.5人に1人」、全年代(30~70代)では4人に1人がEDを抱えているのが現状だ。
 ところが、永尾先生によれば「治療を受けている患者さんは約5%にすぎない」。受けない理由は「病院に行くのは気が引ける」とか「年齢的にもう仕方ない」といった類がほとんどだそうだ。しかし中高年世代のEDは、きわめて重大な病気の予兆である可能性も否定できないことを知るべきだ。

EDを自覚し始めたら数年後の心臓にも要注意

 図①を見てほしい。「心血管系疾患患者(男性)の死亡発生率」だ。時間の流れとともに、EDを併発している患者の死亡発生率は、併発していない患者より高くなることが分かる(ただしED治療を受けていない集団)。命のリスクがより深刻化することは歴然だ。この点について、再び永尾先生の解説を聞こう。
 「中高年のEDの原因としては、陰茎動脈の硬化で血流が悪くなることが大きい。陰茎動脈は内径が1~2ミリで非常に細いため、いわば血管内のゴミによって詰まりやすいのです。一方、心臓の冠状動脈は内径が3~4ミリあって、いくらか太い。その分、動脈硬化による疾患は遅く出ると考えられます。要は時間の問題。したがって『EDは将来の心血管系疾患の重要なマーカー』なのです(図②参照)」
 これを裏づける具体的な調査報告は数多くなされており、例えば心血管系疾患の自覚症状がないED患者ら(40~60代)に負荷心電図検査を実施したところ、56%に異常が発見されたという。
 「さらに、中高年の方がEDを自覚すると、約2年半後には狭心症発作を起こすという予測データもあるのです」
 EDを放置する。それはかなり危険な選択だと認識したほうがいい。

イラスト

心血管系疾患の予防にも寄与ED治療薬「PDE5阻害剤」

 EDの治療には「PDE5阻害剤」を使うことが多い。血流を改善し、勃起とその維持を助ける薬だ。
 「効果の持続時間などによって3種類ありますが、なかでも『ウィークエンドピル』とも呼ばれ、効きめが36時間続く薬があります。土曜日の夕方に服用すれば、日曜日の晩まで有効というわけです」
 しかもPDE5阻害剤によるED治療は、動脈硬化に伴う重大な事態の予防にも貢献するという。
 「その服用によって、血管の拡張機能が向上したり、血管の修復細胞が増えます(図③参照)。陰茎動脈への効果だけにとどまらないことも分かってきており、動脈硬化の予防にもつながります」
 例えば、肺動脈が細くなり心不全に至る難病(肺動脈性肺高血圧症)の改善薬として、PDE5阻害剤が承認されている。また、糖尿病・無自覚の心血管系疾患・EDの3つを合併した患者の治療にPDE5阻害剤を併用し、突然死を含む重篤な心臓疾患の発生率を低減できた、とのデータもある。
 「この薬は、『血管を若返らせてくれる薬』と呼んでもいいと思います。継続的に使用すれば、EDだけでなく命に直接かかわる病気の予防にも役立ってくれるのです」
 PDE5阻害剤の1つであるタダラフィル(一般名)投与群は、3カ月後に血管の拡張機能が改善し、血管修復に関与する血管内皮前駆細胞が増加した。このことからPDE5阻害剤は陰茎以外の動脈にも好ましい影響を与えると考えられる。

イラスト

偽造医薬品に注意

 インターネット販売を通じたPDE5阻害剤の入手については、永尾先生は警鐘を強くならす。
 「ネット販売の実態調査(偽造ED医薬品4社合同調査)では、5割以上が偽物との結果が出ています。健康被害をもたらしたり、外国では死亡例もあります。また偽物で効果が得られず、治療をあきらめる残念なケースもあります。PDE5阻害剤は、医師の診断・処方のもとに使い、円満な夫婦関係はもとより、全身の老化予防に役立てて下さい」
 働き盛り、そして組織の重責を担う世代が体も心も健康的であるために、EDが気になったら、まず医師の診察を受けるのが賢明な選択だ。

プレジデント 2010年05.31号「特別広告企画」

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