医師の適切な診断と処方で「ED」の壁を乗り越える

日本性機能学会理事長
東京歯科大学市川総合病院
泌尿器科教授 医学博士

丸茂 健 先生
(まるも・けん)

慶應義塾大学医学部卒業。同泌尿器科学教室、ドイツ・ビュルツブルグ大学研究員、東京電力病院泌尿器科科長、慶應義塾大学医学部助教授などを経て2005年より現職。著書に『男の病気を治す本』ほか。

健康診断で生活習慣病やその危険因子(高めの血圧や血糖など)を指摘されてはいないだろうか? さらに、ED(勃起障害)の不安はないだろうか? それらの相関関係やEDの内服薬治療について、東京歯科大学市川総合病院・泌尿器科教授の丸茂健先生に聞いた。

年齢が上がるにつれてEDの受診に二の足?

 年齢とともに避けがたくなるカラダの変調。男性にとっては、ED(勃起障害)も大きな問題だ。
 その実情について、東京歯科大学市川総合病院・泌尿器科教授の丸茂健先生は、調査などをふまえこう話す。

 「日本では30代で2.6%の方々がEDを自覚し、年齢とともにその割合は増えて、50代では20%です(図1)。厚労省の人口動態統計をもとに勃起障害患者の数を推計すると、全年代あわせて約807万人にも及びます。
 また私が診察室で実感していることの1つは、若い方ほど早く受診される傾向です。例えば『1カ月ほど前からおかしい』という方もみえます。年齢が上がるにつれ『自覚し始めたのは1年前』『五年も前』と、初診が遅くなるのは若い人の心因性EDに比べて、生活習慣病を原因とするEDが徐々に進行するためです」
 さてEDの原因だが、幅広い年齢層に共通するのは、精神的なストレス。一方、加齢に伴う原因として、男性ホルモンの低下があり、ED以外にも多様な不快症状を生じさせる。
 「よく『男性更年期障害』と呼ばれる一連の症状です。女性の更年期障害と同じで、ほてり、発汗、倦怠感、睡眠障害などもあれば、イライラや抑うつ感など精神症状が起こることもあります。EDもこれらの症状の1つです」
 さらに中年以降でEDを自覚している人は、生活習慣病にも要注意である。

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EDと生活習慣病とは深くかかわっている

 じつはEDと生活習慣病(図2)には、著しい相関が認められるのだ。その筆頭は高血圧である。
 「血圧の高い状態が続くと動脈硬化が進みます。すると、陰茎動脈は非常に細いため影響を受けやすく、陰茎海綿体への血流が悪くなる。その結果、EDになってしまいます」

次は糖尿病である。高血圧を助長するうえ、末梢神経などに障害を引き起こすことでEDを招く(図3)。
 「神経障害によって、脳がとらえた性的刺激の信号が陰茎まで円滑に届かなくなってしまうのです」
 加えて、脂質異常症(血中のLDLコレステロールや中性脂肪の過多)も危ない。丸茂先生らが調査したところ、30~40代の脂質異常症患者にはEDがさほど多くないものの、50~70代にかけて増えるのだという。
 「推測されるのは、脂質異常症を長年にわたり放置したことで、やはり動脈硬化が進行し、EDにいたったという経過です。ED予防の意味でも、脂質異常症は早いうちに改善すべきですね」

とはいえ生活習慣病の治療にあたって、医師のほうから患者にEDのことを尋ねるケースは少ないのが現実だという(図4)。日本では医師の多忙すぎる日常も一因のようだ。患者側はついためらいがちだが、医師に対しては不安や悩みをぜひ率直に切り出そう。

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「PDE5阻害剤」の内服でED改善に高い奏効率

 EDの治療には「PDE5阻害剤」と呼ばれる内服薬が使われる。
 「勃起の仕組みのあらましは、『脳が性的刺激を感知→陰茎に信号が伝わる→cGMPという物質が働き陰茎の平滑筋が弛緩→海綿体に血液が流入』です。その一方でcGMPは、PDE5という酵素に分解され消えていく。それを盾のようになって阻み、勃起を助けるのがPDE5阻害剤です」
 したがって、催淫剤や興奮剤のようなイメージは誤りで、「脳でなく陰茎に作用する薬」(丸茂先生)なのだ。あくまでも脳から信号が出たときに限り、自然な勃起を促すわけである。
 「適切に使えば、副作用も少ない薬です。生活習慣病の治療薬と併用しても、おおよそ問題ありません(心臓疾患の薬の一部を除く)。奏効率は平均約80%と非常に良好です」
 医師が処方できるPDE5阻害剤は三種類あり、効果の持続時間などが異なる。1回の服用で約36時間有効な薬剤もあり、「ライフスタイルなどを考え、医師と相談を」と丸茂先生は勧める。

偽造医薬品の被害は甚大医師による診断・処方が最善

 丸茂先生が強く懸念するのは、ネット販売などを通じた偽造品の横行である。先生が総監修し、製薬会社が行った実態調査(偽造ED医薬品4社合同調査)で、ネット販売で入手したPDE5阻害剤のうち、なんと55.4%が偽造品という結果が出たのだ。
 「外国では偽造品による死亡例もあります。医師が処方する真正品なら含有するはずのない血糖降下剤の成分が混ざっていて、血糖値が正常な人には致死的となったのです。またEDへの有効成分が少なく効果が得られなかった例や、逆に多すぎたことによる健康被害の報告もあります。偽造品の製造現場が不衛生な実態も判明しました」
 患者の被る不利益やリスクが大きすぎる。PDE5阻害剤は、必ず医師の診断・処方のもとに入手し、使うべき薬だと理解しておきたい。
 夫婦にとって、セックスは大切な営み。また、自分だけでなく女性が望むタイミングや満足感への配慮も求められる。もしEDが壁となっているのなら、そしてその精神的負担が仕事をはじめ社会生活にも悪影響を及ぼしているのなら、早く医師の診察を受け、解決への道を切り開こう。

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