EDの積極治療に取り組みオン・オフとも充実の毎日を

川崎医科大学
泌尿器科学教室 教授

永井 敦 先生
(ながい・あつし)

岡山大学医学部卒業。専門は泌尿器科学、腹腔鏡下手術、泌尿器男性学、泌尿生殖器がん。日本泌尿器科学会専門医・指導医、泌尿器腹腔鏡技術認定医、日本性機能学会専門医、日本性科学会認定セックス・セラピストなど。

ED(勃起障害)── 男性にとって深い悩みでありながら、なかなか病院には足が向かない病気である。 しかし、放置するのは危険だ。EDが起こる背景や治療法について、川崎医科大学泌尿器科学教室 教授の永井敦先生に聞いた。

EDを自覚し始めたらLOH症候群の可能性も

 「日本のED(勃起障害)人口は、1998年時点で1,130万人という統計があります。10年余りが経ち高齢化が進んだ今日、増加していることは間違いないでしょう」
 こう語るのは、川崎医科大学泌尿器科学教室 教授の永井敦先生だ。EDの原因はさまざまだが、多くは加齢と深くかかわっている。誰しも年齢を重ねることが避けられない以上、たとえ現時点で自覚がないとしても、決して他人ごとではないのである。
 「私たちの外来では、EDの初診時に男性ホルモンであるテストステロンの分泌量の検査と、生活習慣病に関する検査を行っています」
 テストステロンの検査が行われるのは、EDが「LOH(ロー)症候群」の一症状として現れている可能性もあるからだ。LOH症候群とは、加齢に伴うテストステロンの減少が招く一連の症状。男性更年期障害とも呼ばれ、EDのほかに筋力の低下や疲労、抑うつ感、不眠、イライラなど、身体と心の両面で不調をきたす。日本での患者数は、およそ600万人だ。
 「ただし、テストステロンを減少させる要因は、加齢だけではありません。例えば肥満。そしてストレス。サッカー選手を対象に、テストステロンの分泌について調査したところ、ホームではテストステロンの分泌が増え、プレッシャーのかかるアウェーでは減ったという研究論文も発表されています。働き盛りのビジネスマンなら、抱えている仕事の責任も大きなものでしょう。その重責がストレス源となって、LOH症候群を助長することも十分考えられるのです」

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EDが熟年離婚の一因や深刻な健康リスクに発展

 永井先生によると、最近はLOH症候群の認知度が高まってきたため、受診率も高まりつつあるという。それでも主な訴えは抑うつ感や疲労。EDを自覚していても、初めから話にのぼるケースは多くないそうだ。
 「やはり恥ずかしいという意識があるのでしょう。さらには『EDは年のせいだから仕方のないこと』とあきらめてしまい、受診すらしない方々が相当数いるのではないかと思います」
 しかしEDの放置には、大きな問題が少なくとも2つある。1つは夫婦関係への影響である。日本性科学会認定セックス・セラピストでもある永井先生は、「いわゆる熟年離婚の背景として、性の不一致は無視できません」と指摘する。
 もう1つの問題は、EDが危険な病気を合併しているかもしれないということである。具体的には、高血圧、糖尿病、脂質異常症などだ。加えて、虚血性心疾患、つまり狭心症や心筋梗塞なども挙げられる。EDの陰に、命に直接かかわる病気が潜んでいないとも限らないのだ。

 こうした病気とEDを関連づけるのは、主に「動脈硬化」。高血圧、糖尿病、脂質異常症は動脈硬化を進行させる。すると陰茎動脈は非常に細いため早い段階で血流が滞り、勃起が妨げられ、EDとなる。心臓の冠動脈はいくらか太いため、虚血性心疾患の発症はEDより遅いと推測されるが、EDの自覚から時間が経過するうちに心臓も危うくなってしまう。
 「EDを訴えて来院した患者の31%が、虚血性心疾患、もしくはその高リスク群と診断される。そんな国内データもあるほどです」
 また永井先生のもとでは、EDをきっかけに糖尿病が初めて発覚する患者も目立つという。

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ED治療には医師の処方による「PDE5阻害薬」

 「EDの治療で第一に選択されるのは『PDE5阻害薬』という内服薬で、これは陰茎動脈から海綿体へ血液が流入して勃起が起こるのを助ける作用をもちます。PDE5とは本来、一定のところで勃起をおさめるために必要な酵素ですが、その働きを阻害することによって勃起を促します。つまり、PDE5阻害薬は性的刺激があったときに、勃起を助ける薬です」
 LOH症候群によるEDの場合は、テストステロンの補充とPDE5阻害薬を組み合わせて治療を行うこともある。
 「PDE5阻害薬には、効果の持続時間などにより三種類あるので、希望を聞いて処方します。多くは効き目が36時間続くタイプを選ばれますが、短時間のタイプをオンデマンドで使いたいという方もいます」
 忘れてならないのは、PDE5阻害薬は、医師による処方と指導のもとで服用すべき薬であるという点だ。ネット販売などでも出回っているが、それらの実に55.4%が偽造品との調査結果には驚かされる(偽造ED医薬品四社合同調査より)。
 「有効成分が含まれていないもの、無関係な成分を含むものなどが横行しており、健康被害も報告されています。絶対に手を出してはいけません」
 正規品を適正に使用する限り、PDE5阻害薬は副作用も少なく、副次的な効果も期待される。
 「陰茎以外でも血管の拡張機能が改善するなど、血管を元気にしてくれるのです。サプリメントと同様に、加齢が引き起こす病気の予防に役立つ側面もあると考えられるでしょう」
 またEDを解決し、自信を取り戻して気持ちが前向きになると、テストステロンの分泌も活発化するという研究報告もある。分泌量が増えれば、LOH症候群による他の症状の緩和にもつながるというわけだ。
 「EDの症状を自覚したら、とにかく早期受診をお勧めします。心身を健やかに維持し、仕事とプライベートを充実させる。速やかにPDE5阻害薬などによる対策を講じることで、それが実現できるかもしれないのですから」
 永井先生は、強く呼びかける。

2011年07.04号「特別広告企画」

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