男の「アイデンティティ」を取り戻し健やかな生活を

東北大学大学院医学系研究科・泌尿器科学分野
教授 医学博士

荒井 陽一 先生
(あらい・よういち)

1978年、京都大学医学部卒業。同附属病院、公立豊岡病院などを経て、1993年、倉敷中央病院泌尿器科主任部長。2001年より現職。2004年より東北大学病院副病院長。

ED(勃起障害)の悩みはセックスの悩み─。確かにそうだ。
しかし、心身に深刻な影響を及ぼす可能性をはらんでいるという事実は、まだまだ周知されていないのが現状だ。「だからこそEDの自覚があれば早く受診を」と、東北大学大学院医学系研究科・泌尿器科学分野教授の荒井陽一先生は強く勧めている。

夜間勃起にも重要な役割早朝の状態でEDの判断を

 勃起機能の低下を意味するED。1998年に行われた調査によると、40代の20%、50代のなんと40%が中等度〜重度のEDという結果が出ている。中等度は「たまに勃起、性交中は勃起が維持できる」、重度は「勃起せずに性交不可能」との定義だ。働き盛りの世代にしては割合が高いようにも映るが、荒井陽一先生による指摘を聞けば、いっそうEDを自覚する人は増えるかもしれない。

イラスト 「本来的に考えますと、早朝勃起がないようならEDと見なすべきなのです。つまりEDとは、性交渉を前提にしてそれがうまくいく、いかないだけで判断すべき病気ではないということです」
 日本では、古くから「中高年の夫婦がセックスレスになるのは仕方のない成り行き」と考える風潮が強い。EDによるセックスレスが離婚の原因としても成り立つ米国と違い、日本では白髪やシワと同じように自然な加齢現象として受け止め、夫婦ともに納得してしまうことが多いのだ。しかし、男性にとって早朝勃起の有無は、まさに日常すべてを左右する意味をも含んでいるという。
 「早朝勃起は男性のアイデンティティを再確認できる反応でもあるはずです。セックスに限らず、生活のあらゆるシーンに対する自信の源といっても過言ではありません」
 続けて荒井先生は、夜間勃起という興味深い現象についても教えてくれた。
 「健康な男性は眠っている間、ほぼ1時間おきに10分間くらいずつ勃起しているものなのです。その最後が早朝勃起と考えていいでしょう。これは性的な夢とは関係なく、自然に起こる一種のリハビリテーションです。勃起は酸素に富んだ動脈血が陰茎に流れ込む現象。勃起がなければ陰茎の組織は酸素不足で老化してしまい、元に戻せません。それを防止するために、睡眠中に機能の維持に努めているのです。昼間に何度も勃起しては困りますから、まさに神が与えてくれた、優れた生体維持の仕組みであるといえるでしょう」
 早朝勃起がなければ、夜間勃起もないかもしれない。そんな可能性を疑ってみるべきである。

 

EDは“イエローカード”その後に致命的な疾患も

 「もう1つ、私がセックスに関係なくEDへの注意を喚起する理由は、メタボリックシンドロームと関連しているケースが非常に多いからです。メタボといえば動脈硬化。陰茎動脈の内皮が硬化して正常に働かず、血流が十分でなくなることによってEDが起こります」

 陰茎動脈は非常に細いため、動脈硬化の影響が早い段階でEDとなって現れる。進行すれば、より太い心臓や脳の動脈も危ない状態に陥りかねない。例えば狭心症の患者300人を調べたところ、実におよそ3分の1が、発症の平均3年9カ月前からEDを自覚していたという結果も出ているのだ。
 「EDは致命的な病気を事前に知らせてくれる症状でもあるわけです。いわばイエローカード。いきなりレッドカードが出てしまうことを思えば、最初にEDになってよかったとも考えられるでしょう」
 ほかにEDの原因として、近年は男性更年期障害の存在がクローズアップされている。男性ホルモンのテストステロンが減ることで、女性の更年期障害と同様の不快な症状に加えEDが起こるのだ。
 「『自分は男性更年期障害ではないか』と受診する方は非常に増えていますね。40代、50代でテストステロンが著しく減少してしまう原因はいまだ明らかではありませんが、メタボがその減少を加速させる可能性は強く疑われています。また、EDの原因のなかには、うつ病もあります」
 このように、EDを招く基礎疾患はさまざま。いずれもEDと並行してしっかり治療に取り組むことが大切だ。

イラスト

ED治療薬の服用は必ず医師の診察のもとで

 EDの治療に使われるのは、「PDE5阻害剤」という錠剤である。脳が性的刺激を受けると、陰茎動脈のなかでは勃起のために必要な物質が生じるが、この物質は酵素であるPDE5によって代謝(分解)されていく。それを阻み、勃起を助ける薬がPDE5阻害剤なのだ。
 「現在、三種類の製品があり、薬効の持続時間などが違います。患者さんの希望や習慣をお聞きしながら処方していますが、長時間持続するタイプを選ぶ方が多いようです。PDE5阻害剤の効き目は極めて高く、およそ8割の患者さんに改善が見られます」
 ところが、問題視されているのはインターネット上で横行している悪質な通信販売だ。製薬会社四社合同調査によれば、ネット販売で入手したうちの55.4%が、驚くことに偽造品であることが判明。さらには「ネット購入者の半数が偽造品による健康被害のリスクを認識せずに薬を使用」との結果も見られる。
 「インターネットで入手した偽物のPDE5阻害剤では、最悪の場合死に至る健康被害も報告されています。ですから、必ず医師の処方を受けてください。特に、原則的に併用できない薬(心臓の薬の一部)を飲んでいる方々は、自己判断は危険だということを知ってほしいと思います」
 もちろん医師のもとで正規品を使用する限り、PDE5阻害剤は安全性の高い薬だ。動脈硬化に伴う他の病気への対策を考えても、EDの受診は早いほうが賢明だろう。
 最後に、荒井先生はこうもいう。
 「EDを改善し、男としてのアイデンティティを取り戻すことの意味は大きいに違いありません。私の患者さんたちからも、仕事への意欲が高まったとか、同僚との酒席が楽しくなったといった声をよくお聞きします。PDE5阻害剤でぜひとも自信を取り戻し、公私にわたるQOL(生活の質)の向上に貢献できれば、大変うれしく思います」

プレジデント 2011年10.17号「特別広告企画」

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