日常生活と公的サービス
発作はいつ起こるかわかりません。普段から身の安全の確保を
心がけるとともに、発作を誘発する因子を避けるようにしましょう。
家の中での注意点と対策
転倒対策
発作により、突然転倒することがあります。
工夫
- 転倒した際にケガをしないように、家の中を整理する
- タンスの上に物を置かないようにする
- 保護帽(ヘッドギア)を着用する
-
など

睡眠時対策
睡眠時に発作が起こることがあります。また、睡眠障害もあります。
工夫
- 布団や⾐類の調節
- 定期的な観察
-
など

溺水対策
入浴時に発作が起こったとき、溺水などが起こらないように工夫する必要があります。
工夫
- 入浴時間を短くする
- シャワーだけにする
- 浴槽に蓋をする
- 転倒した際にケガをしないように、マットを敷く
- 時々声がけして、返事の声を確認する
-
など

発作時の対応
- 水面から顔を上げる
- 浴槽の栓を抜く(無理に浴槽から引き上げない)
-
など
外出・旅行の際の注意点と対策
普段と違う場所に行くことによる疲れやストレスが発作の誘因となることもあります。
また、転倒対策として保護帽(ヘッドギア)の使用も考慮してください。
受診に必要な持ち物を確認しておくなど事前の準備を⾏っておきましょう。
持ち物
- 診察券
- 健康保険証(またはマイナ保険証)
- 医療証
- お薬手帳
- 治療薬
その他、緊急受診時の持ち物についてもあわせて確認してください。(» 緊急受診時の持ち物 参照)
遠出の際の救急対応
かかりつけ病院から離れる場合、24時間救急搬送の受け入れ・入院が可能な病院を事前に確認しておきましょう。
飛行機利用時の注意事項
主治医とよく相談のうえ、⾶⾏機利⽤の許可をもらいましょう。病気を申告することで搭乗を断られる場合もあります。
緊急時に備え、⽇本てんかん学会が発⾏する⾶⾏機搭乗に際して携帯すべき「緊急カード※」も主治医に記載してもらいます。
利⽤する際は、なるべく薬の⾎中濃度が⾼く、発作が起こりづらい時間帯や、お昼寝など睡眠できる時間帯の便を利⽤しましょう。また、低血糖・脱水への対策として、冷却用品、軽食、水分なども持参しましょう。

※緊急カード:日本てんかん協会や日本てんかん学会が、緊急時にてんかんであることを知らせたり、搬送先の病院で正しく対応してもらうための「緊急カード」を作成しています。いずれも日本てんかん協会のホームページからダウンロードすることができます。
緊急カード [日本てんかん協会](外部サイト)保育園・幼稚園や学校での生活
お⼦さんもご家族も、保育園・学校の先⽣も不安なく、友⼈たちと楽しく⽣活するために、病気や症状・薬・⽣活上の注意・⾏事への参加の可否などを事前に伝えておきましょう。
伝えておきたい事柄
- レノックス・ガストー症候群の基礎知識 症状・発作について
- 治療薬について 薬の飲み方(飲ませ方)、副作用について
- 生活上の注意してほしいこと
発作誘因になるような状況について(疲労、ストレスなど)
転倒対策 - 発作が起こったときの対処方法
レスキュー薬使用のタイミング
救急⾞を呼ぶタイミング
発作の記録・報告の仕⽅ - 行事への参加について
屋外行事の場合の対処
不参加の場合の対処
社会制度・公的サービス
治療を続けていくために、経済面からサポートする制度やサービスをご紹介します。
詳細は、お住まいの市区町村の担当窓口、地域生活支援センターなどにお問い合わせください。
医療費助成制度
小児慢性特定疾病医療費助成制度
対象:18歳未満のレノックス・ガストー症候群
難病医療費助成制度
対象:レノックス・ガストー症候群
高額療養費制度
医療費が1ヵ月の基準額を超えた場合に、超えた金額が払い戻される
自立支援医療(精神通院医療)
てんかんにかかる外来医療費の自己負担が1割(所得制限あり)
障害者手帳
身体障害者手帳 / 療育手帳 / 精神障害者保健福祉手帳
てんかん発作症状により判定され、税制上の優遇措置が受けられる(⾃治体によって異なる)
重度心身障害者(児)
医療費助成制度
対象:重度の障害の認定を受けた人(自治体によって異なる)
生活費助成
特別児童扶養手当
20歳未満の障害を持つ児童を家庭で養育している家族に一定の金額を支給
障害年金
対象:20~65歳未満(障害等級に該当する障害がある)
てんかんの方やご家族が日常生活を送るうえでのアドバイスや支援制度、園・学校、企業など関係者の方に向けた情報の詳細を知りたい方はこちら
てんかんinfo “日常生活と支援制度”(外部サイト)お役立ちサイト
てんかんやレノックス・ガストー症候群について情報を発信しているサイトをまとめています。
日本てんかん協会(外部サイト)
患者さんやご家族など、当事者の方を中心として、医師・専門職なども参加する市民団体です。ホームページでは、てんかんに関する正しい知識、最新の情報などを得ることができます。年次全国大会の他、各都道府県の支部毎に親の集いなど、交流することのできる場も提供されています。また、てんかん専門医療機関や外科治療を行うことができる施設の一覧なども掲載されています。
※「お役⽴ちテキスト」のページから「緊急カード」をダウンロードすることができます。
緊急カード [日本てんかん協会](外部サイト)日本てんかん学会
てんかんに携わる医師を中⼼とした学術団体です。ホームページでは、てんかんの診断・治療ガイドラインの情報に加え、学会の情報、てんかんの専⾨医や専門病院の紹介などさまざまな情報を得ることができます。
日本小児神経学会(外部サイト)
小児の神経疾患に携わる医師を中心とした学術団体です。ホームページには、てんかんを含めた小児神経に関するQA集や小児神経専門医に関する情報などが掲載されています。
てんかんセンター(外部サイト)
てんかんの専門的な検査や診療、リハビリテーションなどが行われているほか、施設によっては、ホームページにてんかんに関するさまざまな情報などが掲載されていたり、一般の方を対象とした講演会が開かれています。
てんかんinfo(外部サイト)
ユーシービージャパン株式会社が運営するサイトです。てんかんの原因や症状、治療、発作時の対応方法、日常生活のアドバイスや体験談、子どもと大人で一緒に学べるコンテンツ、ご家族、学校の先生、企業様へ向けた情報を掲載しています。
