肺高血圧症って
どんな病気?

このページでは、肺高血圧症はどのような原因により起こるのか、どのような種類があるのかなど、
基本的な内容を紹介しています。

肺高血圧症とは

肺高血圧症は、心臓から肺に血液を送り出す血管(肺動脈)の血圧(肺動脈圧)が高くなる病気です。肺血管の収縮や肺血管の壁が厚くなるなど、血管の内側が狭くなることで肺動脈圧が上昇していきます。

肺動脈圧が高くなると、肺への血液の流れが悪くなり、肺から血液に取り込まれる酸素の量が減ります。そのため、軽い動作でも息切れや呼吸困難といった症状が現れます。

また、肺への血液の流れが悪くなると、肺に血液を送り出す右心室に負担がかかり続けるため、次第に右心室の働きが悪くなってしまいます。これを右心不全といい、肺高血圧症が進行した状態です。

肺高血圧症の分類

肺高血圧症は発症の原因などにより、大きく5群に分類されます。
肺動脈の異常に伴い肺動脈圧が上昇する肺高血圧症を肺動脈性肺高血圧症(第1群)と言います。この第1群の肺動脈性肺高血圧症はさらに、原因が特定されていないもの(特発性)、遺伝子変異によるもの(遺伝性)、膠原病(結合組織病)や先天性心疾患などの他の病気に関連して発症するものなどに分類されます。

第1群

第1群

肺動脈性肺高血圧症はいどうみゃくせいはいこうけつあつしょう
(以下4つに分類)

肺動脈性肺高血圧症(PAH)
肺動脈そのものに病変が生じることによるもの
以下4つに分類

  • 特発性(原因不明)
  • 遺伝性(遺伝子変異)
  • 薬物・毒物
    誘発性
  • 他の疾患に
    関連するもの
    • 膠原病こうげんびょう
    • ・HIV感染症
    • 門脈圧亢進症もんみゃくあつこうしんしょう
    • 先天性心疾患せんてんせいしんしっかん
    • 住血吸虫症じゅうけつきゅうちゅうしょう

第1’群

第1’群

肺静脈閉塞性疾患はいじょうみゃくへいそくせいしっかん
肺毛細血管腫症はいもうさいけっかんしゅしょう

肺静脈や肺の毛細血管に病変が
生じることによるもの

第1’’群

第1’’群

新生児遷延性肺高血圧症しんせいじせんえんせいはいこうけつあつしょう

お腹の中にいるときの肺高血圧の状態が産まれた後も持続するもの

第2群

第2群

左心性心疾患による
肺高血圧症

心臓の左側の病気によるもの

第3群

第3群

肺疾患や低酸素血症による
肺高血圧症

肺の病気や血液中の酸素が不足することによるもの

第4群

第4群

慢性血栓塞栓性肺高血圧症まんせいけっせんそくせんせいはいこうけつあつしょう

慢性化した血栓によるもの

第5群

第5群

詳細不明の複合的要因による
肺高血圧症

原因が不明な様々な要因によるもの

監修者作図

肺高血圧症の症状

初期症状として、労作時の息切れや疲労感、倦怠感、動悸、胸の痛みなどがあります。
階段を上ったときに以前には感じなかった息切れがしたり、苦しくて他の人と同じスピードで歩けなくなったりします。
また、病気が進行すると右心不全の徴候として下肢のむくみ、失神などの症状が現れます。

初期

  • 息切れ

  • 疲れやすい

  • 動悸

  • めまい・立ちくらみ

進行時

  • むくみ

  • 失神

  • せき

  • チアノーゼ

※チアノーゼ:血流が悪くなることで指の血色が青白く変化します。冷感やしびれを伴う事があります。
※症状が現れる時期は上記と異なる場合があります。

肺高血圧症のより詳しい情報を
お知りになりたい方へ

下記のボタンをクリックすると肺高血圧症治療サポートサイトへ移ります