CLL/SLLの治療を行うにあたっては、病気と長く付き合う必要があります。
日常生活では次のような点に注意して過ごしましょう。
体の抵抗力が落ちないよう、十分な睡眠と栄養をとり、疲れたら休んで無理をしないようにしましょう。体力が回復してきたら外出もできますが、最初はご家族などに同行してもらうと安心です。また、規則正しい食事、睡眠、運動は生活リズムを整えるうえで大切ですが、体調には波がありますので、無理をせず、趣味やのんびりする時間を増やすなど、気楽に過ごしましょう。
定期検査は必ず受けるようにしましょう。たとえ体の調子が良い状態が続いていても、決められた日には必ず受診し、検査を行って経過をしっかりみてもらいましょう。経過観察の最中でも、いつもと違う症状や気になる変化があったときは、次の検査日まで間があってもがまんせず、すぐに受診するようにしましょう。
適度な運動や散歩は、体力の回復や体調を整えることに役立ちます。担当医に相談のうえ、無理のない範囲でストレッチや簡単な体操を行ってみましょう。病気のこと、将来のこと、いろいろな不安があるかもしれませんが、適度に体を動かしながらストレスを発散して明るい気持ちで毎日を過ごしましょう。
CLL/SLLの治療では外来治療が主体となるため、仕事を続けながら治療を続ける方もみられます。
仕事と治療の両立や、職場復帰を考えている場合には、担当医やがん相談支援センターなどに相談してみましょう。
CLL/SLLの治療では高額なお薬を使用したり、治療が長期にわたる場合があります。そのような場合に利用できる社会制度、公的サービスがありますので上手に利用しましょう。
経済的負担の軽減
1ヵ月間(毎月1日から末日まで)に支払う医療費が一定の上限額(公的医療保険に設けられている年齢や収入に応じた上限)を超えた場合に、超えた分の金額が支給される制度です。
【参考サイト】厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ
年間(その年の1月1日から12月31日までの分)に支払った医療費が10万円を超えた場合、所得税の還付申告をすると医療費控除が適用され、すでに納めている所得税が還付または軽減されます。
通院交通費も含め、自己または自己と生計を共にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費が対象となります。
仕事との両立
病気で休業し、十分な給与が支払われなくなった場合に受給できる手当金です。対象は公的医療保険の被保険者で、扶養家族や国民健康保険、後期高齢者医療制度の被保険者は対象になりません。療養のために働くことができず休業した日が連続3日間あったうえで、4日目以降の休業日に対して支給されます。支給期間は通算で1年6ヵ月間です。
【参考サイト】全国健康保険協会 傷病手当金
生活
病気による障害で生活や仕事が制限されるときに支給される公的な年金です。がんの治療や合併症の影響で日常生活に支障があったり、仕事の継続が難しかったりする際に適用されることがありますので、病院のソーシャルワーカーやがん相談支援センターに聞いてみましょう。
【参考サイト】日本年金機構 障害年金
がん患者さんは、介護保険サービスの利用条件の1つである「16種類の特定疾病の診断がついており介護が必要になった40歳から64歳までの方」に該当しますので、40歳から申請可能です。
介護や支援が必要と認定された方は、サービスにかかる費用の1~3割を自己負担することで、介護保険サービスを利用できます。要介護(要支援)認定の申請が必要なため、居住地の市区町村窓口で申請します。
更新・確認日:2025年10月
「がん相談支援センター」は、全国の「がん診療連携拠点病院」や「小児がん拠点病院」「地域がん診療病院」に設置されている、がんに関する相談窓口です。施設によって「医療相談室」「地域医療連携室」「患者サポートセンター」などの名称が併記されていることもあります。
「がん相談支援センター」では、がんについて詳しい看護師や、生活全般の相談ができるソーシャルワーカーなどが、相談員として対応しています。がん診療連携拠点病院などのがん相談支援センターの広報資料などに、「がん相談支援センター」のロゴが表示されています。

「がん相談支援センター」は、患者さんだけでなく、ご家族や、その病院に通っていない地域の方々など、どなたでも無料・匿名で利用でき、主に面談または電話で相談することができます。
がん相談支援センター窓口とは
「がん相談支援センター」は、「がん情報サービス
」のサイトから探すことが可能です。
サイト内の「相談先・病院を探す」より「がん診療連携拠点病院などを探す」をクリックし、「すべての病院一覧を見る」にある「相談支援センター」のボタンを押すと検索できます。