CLL/SLLは通常はゆっくり進行する病気で、多くの場合、診断後すぐに治療を行わなくても日常生活に大きく影響することはありません。病気が進んでくると、発熱、寝汗、体重減少などさまざまな症状がでてきます。治療を開始する国際基準が示されており、主に次の状態を確認します。
CLL/SLLの治療では、薬物療法(主に分子標的薬ときに化学療法)や一部の患者さんに造血幹細胞移植が行われます。染色体や遺伝子の状態によっては効きにくい治療もありますので、どのような治療を行うのかは、染色体/遺伝子異常の有無をはじめ患者さんの状態に応じて検討されます。また、病気の状態によってはすぐに治療を開始せず、定期的に検査を受けながら様子をみる「経過観察」となる場合もあります。
薬物療法
分子標的薬
がん細胞にみられる特徴的な分子を狙い撃ちするお薬です。CLL/SLLでは細胞の表面にみられる特徴的な分子や、がん細胞を増やす過剰なシグナルなどを標的としたお薬が使用されます。1種類または複数の分子標的薬を用いるか、あるいは化学療法と組み合わせて治療が行われます。医師の判断により、外来での治療も可能です。

化学療法
細胞のDNAに働いたり、細胞分裂を阻害する作用をもっており、がん細胞の増殖を防ぐ目的で使用されます。正常な細胞も含め、すべての細胞に作用します。
分子標的薬と組み合わせて使用される場合もあります。医師の判断により、外来での治療も可能です。

造血幹細胞移植
若い患者さんで、染色体/遺伝子異常の状態から予後が悪い(治療が効きにくい)と思われる異常をもち、治療をしたけれども再発をしてしまった患者さんに対して行われます。通常、ドナーから造血幹細胞を移植する「同種移植」が選択されます。

患者さんの全身状態(年齢や臓器機能、併存疾患など)や症状、腫瘍細胞の染色体や遺伝子異常などとともに、患者さんのご希望(入院治療ができるのか、外来での治療を希望するのか、期間限定治療あるいは長期継続治療を希望されるのかなど)をふまえて、治療方針が決定されます。
CLL/SLLの治療では、次のような副作用があらわれる可能性があります。
治療薬により起こりやすい副作用が大きく異なりますので、担当医にご相談ください。一般的には、全身倦怠感、発熱・感染症、消化器症状(悪心、下痢など)、出血傾向、皮膚のブツブツなどがあります。気になる症状があらわれた場合は、担当医、看護師、薬剤師にご相談ください。
CLL/SLL治療においてみられる副作用