2025年カレンダー絵画(3・4月)

仁和寺

仁和寺

春日井 路子 作

季節:春 エリア:右京区

仁和寺は真言宗御室派の総本山で、仁和二年(886)光孝天皇の勅願寺として着工していたのを後を継いだ宇多天皇が落成、入山したため御室御所と称した。御室とは貴人が仏門に入って生活する僧坊のこと。宇多法皇以後代々、法親王が門跡となり、門跡寺院としての格式を誇る。
 

女三の宮降嫁による紫の上の苦悩。柏木は恋の虜に

第三十四帖『若菜(わかな)上』
六条院への御幸のあと、朱雀院は病気がちになり出家の志を固めるが、愛娘・女三の宮の将来に不安が残り、朱雀院は皇女にふさわしい婿選びを始める。東宮の進言もあり、光源氏こそふさわしいと思い至る。光源氏は困惑するが、女三の宮が亡き藤壷の宮の姪であることが光源氏の心を動かし承諾する。女三の宮が光源氏の正妻になり、紫の上は心が乱れるが表向きはおっとりふるまう。年が明け、正月の子(ね)の日にひそかに準備をしていた玉鬘が若莱を献上して光源氏四十の賀を祝う。翌年の三月、明石女御が東宮の男児を出産すると、光源氏はのちの帝の祖父となり、権力継承は盤石なものに。柏木は女三の宮が光源氏に降嫁したのちも諦めきれずにいた。六条院で夕霧らと蹴鞠に輿じていた柏木は、女三の宮の姿を御簾の間から見て、奄心を燃やす。