2025年カレンダー絵画(7・8月)

広沢池と遍照寺

広沢池と遍照寺

兼先 恵子 作

季節:夏 エリア:右京区

広沢池は嵯峨野東端にあり、背後に嵯峨富士と云われる端麗な遍照寺山が静かな湖面に影を落とす。大沢の池と共に今も観月の名所である。遍照寺は十世紀末(989)平安時代中期、寛平法皇(宇多天皇)の孫、寛朝僧正が広沢池畔の山荘を改めて寺院にしたもの。
 

突如、夕顔を襲った女の生霊

第四帖『夕顔(ゆうがお)』
光源氏はそのころ六条御息所のもとに、ひと目を忍んで通っていた。その途中、乳母の病気を見舞うため、五条あたりの民家に立ち寄った。たまたま隣にあった家の垣根に咲く夕顔の花が縁で、その屋敷の女主人と知り合う。互いに素性を隠しながら重ねる逢瀬。光源氏はその女、夕顔の艶かしさにのめり込んでいく。ある日、光源氏は夕顔を連れて、近くの廃院に出かけた。戯れの時間を過ごしたその夜、突如現れた女の生霊。ともし火が消え、不隠な空気をかき消すように光源氏は太刀を抜く。灯りが消えて、気を失った夕顔を抱き起すと、すでに息絶え体は冷え切っていた。光源氏はあまりのことに呆然としてしまう。夕顔の死を確かめ、ニ条院へ戻った光源氏は重い病にとりつかれるが、周りの手厚い看病で命を取りとめる。その後、夕顔が、親友・頭中将の愛した人であったことを知る。