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よくある質問

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)について、よくあるご質問にお答えします。

Q

何科を受診したらいいですか?

A

まずは、かかりつけの小児科でご相談ください。幼児期の場合、健診時に先生にご相談いただいても構いません。他の病気の可能性も検討した上で、必要であれば専門医のいる施設へ紹介となります。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーの検査や診断は、専門医のいる医療機関でないと対応が難しいため、直ぐに病気を確定することはできませんが、早めの気づきと医療機関への相談が、早期治療につながります。

かかりつけの小児科などでご相談ください

Q

遺伝子検査は必要ですか?

A

現在、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対して様々な治療法が開発されています。
遺伝子の変異の種類や場所が明らかになることで受けられる治療法もあり、遺伝子検査を受けることで治療の選択肢が広がる場合があります。なお、遺伝子検査を受ける際には、遺伝子が関係する病気や遺伝に関連した不安や心配ごとなどについて、遺伝カウンセリングを受けられますので、希望される場合は主治医や医療機関の窓口にご相談ください。

Q

遺伝子検査のMLPA法とシーケンス解析について教えてください。

A

デュシェンヌ型筋ジストロフィーを確実に診断するためには、遺伝子検査でジストロフィン遺伝子に変異があることを確認する必要があります。遺伝子検査にはMLPA法とシーケンス解析と呼ばれる検査があり、MLPA法で遺伝子に変異があることを特定できない場合には、さらにシーケンス解析を行います。いずれも血液検査で行うことができます。

MLPA法

MLPA法では一部のエクソンが抜けている、同じエクソンが重複しているなどを検査することができます。MLPA法では、約70% のデュシェンヌ型筋ジストロフィー患者さんの変異を特定することができます。

シーケンス解析

シーケンス解析では、MLPA法で発見できないエクソンの中の細かな変異を見つけることができます。MLPA法を含めて、遺伝子検査が保険適用となるのは原則1回ですが、MLPA法で変異が特定できなかった場合は、追加で行うシーケンス解析も保険適用となります。

シーケンス解析

Q

患者さんがデュシェンヌ型筋ジストロフィーと診断された場合、
他の家族も病気になる可能性はありますか?

A

他の家族も病気になる可能性はありますか? 遺伝子の変異が起こる原因として、親が持つ変異を受け継ぐ場合(遺伝)と、子どもの世代で新たに生じる場合があります。デュシェンヌ型筋ジストロフィーでは、どちらのパターンも見られますが、国内では前者が6割、後者が4割と報告されています(難病情報センター 筋ジストロフィー 指定難病113)。
そのため、お子さんがデュシェンヌ型筋ジストロフィーと診断されても、他のご家族様もデュシェンヌ型筋ジストロフィーとは限りません。
遺伝子が関係する病気や遺伝に関連した不安や心配ごとなどについて、遺伝カウンセリングを受けられますので、希望される場合は主治医や医療機関の窓口にご相談ください。

Q

デュシェンヌ型筋ジストロフィーは遺伝しますか?

A

遺伝子の変異が起こる原因として、親が持つ変異を受け継ぐ場合(遺伝)と、子どもの世代で新たに生じる場合があります。デュシェンヌ型筋ジストロフィーでは、どちらのパターンも見られますが、国内では前者が6割、後者が4割と報告されています(難病情報センター 筋ジストロフィー 指定難病113)。

Q

デュシェンヌ型筋ジストロフィーはなぜ男性に多いのですか?

A

遺伝子は染色体の形で存在しており、性別を決定する染色体として、男性はX染色体とY染色体を1本ずつ、女性はX染色体を2本持っています。ジストロフィン遺伝子はX染色体上に存在します。
男性の場合、X染色体が1つしかないため、X染色体上のジストロフィン遺伝子に発症原因となる変異があるとジストロフィンが作られず、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを発症します。
女性の場合、X染色体が2つあるため、ジストロフィン遺伝子も2つあります。片方のジストロフィン遺伝子に発症原因となる変異があっても、もう片方には何も起きていないことが通常のため、小児期は男性で認められるような症状を示すことはほとんどありません。ただし、高齢になると筋力低下や心筋症を示す割合が通常より高いことが知られています。

デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、主に男児にみられます。

Q

遺伝カウンセリングについて教えてください。

A

遺伝カウンセリングでは、染色体や遺伝子が関係する病気だけでなく、
遺伝に関連した不安や心配ごと、困っていること、悩んでいることなどについて、主治医や、より専門的な臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーなどと相談することができます。
また、遺伝子検査の際にも、遺伝子が関係する病気や遺伝に関連する不安や心配ごとなどについて、遺伝カウンセリングを受けられますので、希望される場合は、主治医や医療機関の窓口にご相談ください。

遺伝カウンセリング

Q

医療費助成制度の仕組みについて教えてください。

A

指定難病や小児慢性特定疾病の医療費助成制度は、病院や薬局の窓口で支払う金額が、ひと月で上限額を超えた場合に、超えた分の助成を受けられる制度です。
上限額は病気の程度やご家族の所得によって異なりますが、上限額を超えた月はそれ以降の窓口での支払いがなくなります。
指定難病と小児慢性特定疾病とが重複する場合は、自己負担上限額の低い小児慢性特定疾病医療費助成が優先されます。

医療費助成制度の仕組み

Q

指定難病と小児慢性特定疾病の医療費助成制度について教えてください。

A

デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、指定難病および小児慢性特定疾病(病気の診断が18歳未満であること)の医療費助成制度の対象疾患となっています。これらの制度の対象疾患であること、また病気の重症度などを総合的に判断して、認定されれば制度による助成を受けることができます。
認定されると治療をされている患者さんは病院や薬局の窓口で支払う金額が、上限額を超えた月はそれ以降の窓口での支払いがなくなります(上限額は病気の程度やご家族の所得によって異なります)。
指定難病と小児慢性特定疾病とが重複する場合は、自己負担上限額の低い小児慢性特定疾病医療費助成が優先されます。

所得区分 所得区分の基準
()内は夫婦2人・子1人世帯の 場合における年収の目安
自己負担上限額(外来+入院)
一般 重症 人工呼吸器等装着者
生活保護   0円 0円 0円
低所得Ⅰ 市町村民税非課税(世帯) 本人年収:~80万円 1,250円
2,500円
1,250円
2,500円
500円
1,000円
低所得Ⅱ 市町村民税非課税(世帯) 本人年収:~80万円 2,500円
5,000円
2,500円
5,000円
一般所得Ⅰ 市町村民税 7.1万円未満 (約200万円~約430万円) 5,000円
10,000円
2,500円
5,000円
一般所得Ⅱ 市町村民税 7.1万円以上25.1万円未満
(約430万円~約850万円)
10,000円
20,000円
1,250円
2,500円
上位所得 市町村民税 25.1万円以上
(約850万円~)
15,000円
30,000円
1,250円
2,500円
入院時の食費 半額自己負担円
全額自己負担

2021年3月時点

その他にも、身体障害者手帳や自立支援医療制度による助成などもあります。患者さんの病気の状態、ご家庭の状況によって受けられる支援は異なるため、病院の専門スタッフや行政の窓口に相談するとよいでしょう。

Q

運動を続けても大丈夫ですか?

A

疲労や筋肉痛が生じない程度であれば、運動は続けていただいて問題ありません。
過度な運動は筋肉を傷める原因になるため、疲れたら運動を中止し、次の日に筋肉痛を感じない程度に留めるようにしましょう。筋力を強くすることを目的とした筋力トレーニングは、筋肉を痛めるリスクがありますのですすめられません。

運動を続けても大丈夫ですか?

Q

医師以外の医療スタッフの役割について教えてください。

A

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療はまだ限られていますが、医療の進歩や様々な医療スタッフの関わりにより患者さんの生活はよりよく変わってきています。
医療機関によってサポート体制はさまざまですが、どのサポートスタッフも常に患者さんやご家族のよりよい生活を願い、寄り添った支援を行います。治療や症状のこと、生活面で不安に思うことなどがあれば、積極的に相談しましょう。

医師以外の医療スタッフ

看護職
患者さんやご家族が不満や悩みを打ち明けられる最も身近な存在です。患者さんやご家族の身体的、精神的な問題を把握し、他のサポートスタッフへの橋渡しと調整役を担います。

理学療法士
座る、歩くなどの基本的な動作能力を回復・維持するためのリハビリテーションを行います。

作業療法士
食事や入浴など、日常生活に関わる「作業」を行う能力を回復・維持するためのリハビリテーションを行います。

医療ソーシャルワーカー
治療による経済的な不安や悩みについて相談を受けます。また、社会資源の活用ができるように支援を行います。

その他
栄養士、社会福祉士、保健師、遺伝カウンセラー、臨床心理士、ピアサポーター、保育士、児童指導員なども、サポートスタッフの一員として患者さんの治療や日常生活をサポートします。

Q

臨床試験や治験とは何ですか?

A

「臨床試験」とは、新しい薬や医療機器などを用いた治療に対して、その効果や安全性について確認するために行われる試験のことです。臨床試験のうち、国から新しい治療法として承認を得ることを目的として行われるものを「治験」といいます。治験は臨床試験の一種です。
治験で効果と安全性が確認されれば、新しい治療法として使うことができます。治験に参加した人から得られた結果は、同じ病気の人たちの新しい治療法の開発に役立っています。

臨床試験とは

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