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用語集

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)

ジストロフィン遺伝子の変異が原因で起こる筋ジストロフィー。小児期の筋ジストロフィーの中で一番多くみられる。筋肉を保持するジストロフィンがまったくつくられないため、筋力が徐々に低下する。主に男児に発症する。

ベッカー型筋ジストロフィー

デュシェンヌ型同様に、ジストロフィン遺伝子の変異が原因で起こる筋ジストロフィー。健康な人よりは少ないものの、ジストロフィンが作られるため、デュシェンヌ型に比べて筋力の低下は軽度の傾向がある。主に男児に発症する。

福山型筋ジストロフィー

フクチン遺伝子の変異が原因で起こる筋ジストロフィー。筋肉に必要とされるフクチンがうまく機能しないため、筋力が徐々に低下する。小児期に発症する筋ジストロフィーではデュシェンヌ型に次いで多く、男女問わず発症する。

ジストロフィン

筋肉の構造を保つために必須のタンパク質。ジストロフィンは、筋細胞膜が壊れないように、細胞外の頑丈な基底膜のタンパク質と、細胞内にある骨格(アクチン)を橋渡しするだけでなく、細胞膜の内側に張りついて細胞膜を保護している。

ジストロフィン遺伝子

ジストロフィンの設計図となる遺伝子。デュシェンヌ型筋ジストロフィーではジストロフィン遺伝子上の変異が原因で、ジストロフィンを体内で作ることができない。性染色体のX染色体上に存在する。

クレアチン・キナーゼ(CK)

血液検査で測定できる指標(マーカー)。筋肉中に含まれる酵素の一種で、筋肉が壊れることで値が高くなる。幼児期のDMDでは血清CKの値が高い(数万U/L)。

肝酵素(AST、ALT)

血液検査で測定できる指標(マーカー)。主に肝臓に異常があると値が高くなるが、筋肉にも含まれる酵素のため、筋肉が壊れると高い値を示す。DMDでは、ASTもALTも100-300U/L程度を示し、値が高い。

エクソン

遺伝子の中でタンパク質を作るための情報を持つ領域。ジストロフィン遺伝子は、79個のエクソンからなる巨大な遺伝子で、成熟したジストロフィンmRNAは約14,000塩基からなる。

MLPA法

遺伝子検査の一種。「一部のエクソンが抜けている」、「同じエクソンが重複している」などを調べることができる。MLPA法では、約70%のデュシェンヌ型筋ジストロフィー患者さんの変異を特定することができるとされている。

シーケンス解析

遺伝子検査の一種。MLPA法で発見できないエクソンの中の細かな変異を見つけることができる。

エクソンスキッピング療法

エクソンスキッピング療法は、筋肉の中でジストロフィンができるように促す治療法。エクソンスキッピング剤を筋細胞の核内で作用させ、ジストロフィンmRNA前駆体の変異が起きている場所に隣接した特定のエクソンを認識させない(スキップさせる)ように促すことで、隣り合ったエクソン同士をつなげ、ジストロフィンを作らせる。作られたジストロフィンは健康な人よりも少し小さいながら機能すると考えられており、運動機能などの低下を抑えることで、症状の進行を遅らせることが期待されている。

ステロイド療法

副腎皮質ホルモンによる治療法。筋細胞の壊死や細胞を障害する炎症反応の抑制など、様々なメカニズムで筋力が低下する速度を遅らせることで、歩行可能期間を延長できるとされている。また、関節が硬くなり変形するのを遅らせたり、呼吸機能や心機能にも影響する可能性が報告されている。

指定難病の医療費助成制度、小児慢性特定疾病の医療費助成制度

病院や薬局の窓口で支払う金額や、支払いの上限額を超えた場合には超えた分について助成を受けられる制度。上限額は病気の程度やご家族の所得によって異なる。制度を利用するには各制度の認定を受ける必要がある。

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