プレスリリース・お知らせ

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これらは当該品のプロモーション、広告、医療上のアドバイスを目的としたものではありません。

NEWS 2015

2015年03月16日 研究開発
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当社が創薬したセレキシパグの、導出先企業が実施したPⅢ国際共同試験(GRIPHON試験)結果の学会発表のお知らせ

 日本新薬が創製し、2008年4月にアクテリオン社(本社:スイスAllschwil、最高経営責任者:Jean-Paul Clozel, M.D.)に導出したセレキシパグ(開発記号:NS-304)について、アクテリオン社が日本を除く全世界で実施した、肺動脈性肺高血圧症を対象としたPⅢ国際共同試験(GRIPHON試験)の結果に関して、同社が、米国において学会発表が行われた旨のプレスリリースを行いましたのでお知らせします。

 以下のリリース文は、アクテリオン社のプレスリリースを参考までに和訳したものです。内容についてはアクテリオン社のオリジナルの英文が優先することをご了承ください。

【ご参考:アクテリオン社のリリース文和訳】
アルシュヴィル, スイス – 2015年3月15日 –
アクテリオン(スイス証券取引所:ATLN)は本日、セレキシパグ(欧米名:Uptravi®)のピボタル第3相GRIPHON試験の主要な長期予後データが、米国サンディエゴにおいて開催されている米国心臓学会(American College of Cardiology、以下ACC)総会にて口頭演題として発表されたことを公表しました。学会発表では、開発中の化合物であるセレキシパグが肺動脈性肺高血圧症(PAH)の患者において、病態悪化/死亡のイベント発生リスクを、プラセボ群に比較して40%有意に低下させたことが強調されました(p<0.0001)。学会発表は、GRIPHON試験のステアリングコミティ委員であるミシガン大学循環器内科のヴァレリー マクローリン(Vallerie McLaughlin)教授により行われました。

 このピボタルな二重盲験プラセボ比較イベント観察型の試験では、1,156例のPAH患者がプラセボ群あるいはセレキシパグ群に1:1の割合で無作為化されました。投与期間は最長で4.3年に達し、投与期間中央値はプラセボ群(582例)で63.1週間、セレキシパグ群(574例)で70.6週間でした。

 患者登録時点で、80%の症例が基礎治療としてPAH治療薬の投与を受けており、その内訳は15%がエンドセリン受容体拮抗剤(ERA)単剤投与、32%がホスホジエステラーゼ-5阻害剤(PDE-5i)単剤投与、33%がERAとPDE-5iの併用投与でした。ベースライン時において、47%の症例がWHO機能分類I/II度、53%がIII/IV度でした。

 マクローリン教授は、ACCで発表された研究結果について以下のように述べています。「プロスタサイクリン経路を標的とする薬剤の初めてのイベント観察型試験として、本日発表された結果は待望されていたものです。セレキシパグが承認されれば、より多くPAH患者が、この経路を標的とする長期予後ベネフィットのある経口剤で、積極的な治療を受けられるようになることを、この試験データは示唆しています。加えて、極めて重要なことは、治療ベネフィットは既に他のPAH治療薬の投与を受けている症例において認められており、その中にはベースライン時に併用療法を受けていた症例も含まれていることです。」


主要な部分集団における一貫した結果  
 病態悪化/死亡イベント発生リスクの低下は、年齢、性別、PAHの病型、ベースライン時のWHO機能分類、ERAとPDE-5iの併用投与を含む基礎治療といった主要な部分集団でも一貫して認められた。

GRIPHON試験における投薬
 忍容性に基づいて個別維持用量へ漸増するセレキシパグの投与法は、検討された用量範囲において長期予後ベネフィットの達成に有効であった。GRIHPON試験における投薬は、200μgを1日2回から開始され、1週おきに200μgずつ最高1600μgを1日2回まで増量された。最大耐用量へ漸増した後、事前に定義された低用量群(200、400μgを1日2回)、中用量群(600、800、1000μgを1日2回)、高用量群(1200、1400、1600μgを1日2回)においてベネフィットが得られた。

6分間歩行距離
 セレキシパグ投与により、投与開始26週後の6分間歩行距離(6MWD)も統計的に有意に延長し、全症例において12m (p=0.0027)、PAH治療薬の基礎治療を受けていない症例においては34m(P=0.0002)の延長であった。

安全性および忍容性
 GRIPHON試験におけるセレキシパグの忍容性は、プロスタサイクリン経路を標的とする既存治療によるものと一致していた。試験期間全体で、プラセボ群に比べてセレキシパグ群でより多く(>5%)見られた有害反応は、頭痛、下痢、顎痛、嘔気、筋肉痛、嘔吐、四肢の痛み、紅潮であった。

 試験期間全体で、病態悪化あるいは死亡イベントなしに、有害事象により投与中断した症例の割合は、セレキシパグ群で14%、プラセボ群で7%であった。

 さらなるGRIPHON試験データは学術論文を通じて公表される。
                              
<以下 省略>

以上