気候変動への対応

基本姿勢と目標

日本新薬グループは、マテリアリティの重要課題の一つとして「地球環境保護への取り組み強化」を掲げ、気候変動問題に積極的に取り組んでいます。気候変動による影響を考慮し、エネルギー使用量の削減などによりCO2排出量の削減に努めています。その一環として、再生可能エネルギーの切替を積極的に進めており、使用電力の再生可能エネルギー切替率は、2021年度に17%、2022年度に27%、2023年度には53%と着実に増加しています。今後は、生産拠点を含めたさらなる再生可能エネルギーの拡大を推進していきます。
また、日本新薬グループは、科学的根拠に基づいたCO2排出削減目標を設定しています。この目標は、2024年1月にSBTi(Science Based Targets initiative)から認証を取得しました。短期目標として2025年度に9,266t-CO2(基準年度である2020年度比21%減)、中期目標として2030年度に6,088t-CO2(基準年度である2020年度比42%減)を掲げています。そして、長期目標である2050年度にはCO2実質排出ゼロを目指し、着実に取り組みを進めていきます。
日本新薬グループは、これからも地球環境保護に貢献するため、気候変動対策に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に向けて邁進してまいります。

■ CO2排出量
基本姿勢と目標
■ 使用電力再生可能エネルギー切替率
基本姿勢と目標

CO2排出量の削減・エネルギー使用量

日本新薬グループの2023年度のCO2排出量(スコープ1,2)は8,423t-CO2、基準年である2020年度比で28.2%の削減となり、エネルギー使用量は75,230MWh、基準年である2020年度比で8.1%の増加となりました。
2020年度比でエネルギー使用量は増加しましたが、2021年度より再生可能エネルギーを導入した事でCO2排出量(スコープ1,2)は減少となりました。
2050年度排出ゼロを目指し、設備更新にとどまらず、設備運転時間や設定温度などの見直しを継続的に実施し、今後も太陽光発電設備の導入も含めた再生可能エネルギー拡大の検討を進めていきます。

CO2排出量

CO2排出量

エネルギー総使用量

エネルギー総使用量のグラフ

サプライチェーン排出量(2023年度)

サプライチェーン排出量(2022年度)

主なエネルギー使用量の内訳

●電気
「電気」エネルギー使用量の内訳
●都市ガス
「都市ガス」エネルギー使用量の内訳

CO2排出削減の取り組み

1. 再生可能エネルギーの活用

日本新薬グループは、2050年度の排出ゼロを目指して、2030年度6,803t-CO2(基準年度 である2020年度比42%減)を目標にCO2排出量を削減します。
2021年4月より、本社地区が消費する電力を再生可能エネルギー由来の電力へ切り替えを開始し、2023年度に本社地区全ての消費する電力の切り替えが完了しました。2022年11月より、小田原総合製剤工場において水力発電由来の電力へ切り替えを開始しました。また、太陽光発電設備を、2022年に東部創薬研究所、2023年に小田原総合製剤工場、2024年に本社地区とタジマ食品工業に設置しました。
これらの取り組みにより、2023年度の電力使用量の50%以上が再生可能エネルギー由来の電力に切り替わりました。
2025年度以降は、実質的な再生可能エネルギー(トラッキング付FIT非化石証書)への転換を行うなど、積極的な再生可能エネルギーの活用を検討しています。
なお、2023年度本社地区のコージェネレーションシステムを停止し、都市ガス燃焼で発生するCO2を削減しました。

2. 営業車両へのハイブリッド車導入

営業車両へのハイブリッド車の導入、および都市部における公共交通機関の利用を促進し気候変動対策の推進や省エネルギーに対する意識向上を図っています。
日本新薬の営業車両は、豪雪地帯を除き2020年度からの4年間ですべてハイブリッド車に入れ替えました。

ハイブリッド車写真
ハイブリッド車写真

3. 設備改修によるエネルギー使用量の削減

設備更新時における取組として、空調用冷凍機更新、ボイラー更新、全熱交換機の更新、LED照明器具へ順次更新、照明器具に人感センサーの取り付けなどを実施しています。これらによりCO2排出量を削減し、気候変動対策を推進しています。
小田原総合製剤工場では、空調用冷凍機の更新に合わせ高効率チラーを導入しました。

また、東京社屋で氷蓄熱設備(夜間氷を蓄熱槽に蓄え、その氷の熱を昼間の空調運転に使うことにより昼間の使用電力量を夜間に移行し、より少なくする)を導入してピークシフトを実施しています。

高生理活性棟用チラー(小田原総合製剤工場)写真
高生理活性棟用チラー(小田原総合製剤工場)

4. 「節電・省エネガイドライン」による省エネ

節電・省エネ推進委員会を発足し「省エネガイドライン」で、全社的な節電・省エネの取り組みを推進しています。全社員に共通する室内の適正な温度設定、不要な照明の消灯、階段利用の推奨などを定め節電に努めています。またフレックスタイム制や出社日削減に柔軟に対応した省エネ運用も進めています。

取り組み拡大に向けて

設備更新にとどまらず、設備運転時間や設定温度などの見直しを継続的に実施し、2021年度より再生可能エネルギーの導入を実施しました。
今後も太陽光発電設備の導入も含めた再生可能エネルギー拡大の検討を進めていきます。

5. 日薬連「低炭素社会実行計画」への参画

日本新薬は、経団連の要請に基づいて日本製薬団体連合会(日薬連)が策定した「低炭素社会実行計画」を支持し、目標の進捗状況を年1回公表しています。
日本製薬工業協会(JPMA)環境問題検討会カーボンニュートラルワーキンググループに参画し、CO2排出量削減に向けた取り組み推進に貢献しています。
また、国の気候変動に関連する法規制である地球温暖化対策推進法(温対法)を遵守し、年1回、行政へエネルギー使用量、省エネルギー目標の達成状況、温室効果ガス排出量の報告書を提出しています。

CO2排出量・エネルギー消費量「第三者検証」を受審

日本新薬は、環境情報の信頼性向上のため、第三者であるソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社より、検証基準(ISO14064-3:2019およびソコテック・サーティフィケーション・ジャパン検証手順)に基づいて検証を受けました。検証範囲は、Scope1、2、エネルギー消費量およびScope3カテゴリ1としています。

社内啓発教育

社内の各種教育・研修の中で、環境保全の重要性・必要性について、社内イントラネットにて研修を行い、引き続き意識を高く保つよう啓発しています。