当社開発品NS-401の日本における製造販売承認申請のお知らせ
日本新薬株式会社(本社:京都市南区、代表取締役社長:中井 亨、以下「当社」)は、NS-401(タグラキソフスプ、以下「本剤」)について、芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(以下「BPDCN」)を期待適応症として、本日、厚生労働省に製造販売承認申請を行いましたので、お知らせします。本剤は、当社が2021 年 3 月にメナリーニ・グループ(本社:イタリア・フィレンツェ、最高経営責任者: エルシン・バーカー・エルガン)より導入し、開発を進めてきました。
BPDCNは白血病とリンパ腫の両方の性質を有し、特徴的な皮膚病変とがん細胞のリンパ節や骨髄への浸潤を伴う、まれな進行性の血液がんです。国内で承認された治療薬はなく、リンパ腫や急性白血病に準じた治療が行われていますが、生存期間中央値は1年未満と短く1-2)、新たな治療剤が望まれています。
本剤は、CD123 という細胞表面タンパク質を標的とする画期的な治療薬であり、BPDCN細胞に過剰発現しているCD123に特異的に結合してタンパク質合成を阻害し、アポトーシスを誘導することによりBPDCN細胞を死滅させます。本剤は、海外で実施された未治療および再発・難治性BPDCN患者に対する第I/II相試験の結果に基づき、米国では2018年12月にBPDCN を適応症として、欧州では2021年1月に未治療 BPDCNを適応症として承認されており、すでに40以上の国で承認を取得しています。
今回、当社が実施した国内BPDCN患者を対象とした第I/II相試験において、海外第I/II相試験と同様の有効性および安全性の成績を得たことから、本剤の製造販売承認の申請にいたりました。なお本剤は、BPDCNを期待適応症として2023年8月23日に厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けています。
当社は、本剤を患者さんのもとに一日も早くお届けすることで、日本におけるBPDCNの治療に貢献できるものと考えています。
出典
1. Pagano L et al, Blastic plasmacytoid dendritic cell neoplasm with leukemic presentation: an Italian multicenter study. Haematologica 2013; 98: 239-246.
2. Lourdes Martín-Martín et al, Classification and clinical behavior of blastic plasmacytoid dendritic cell neoplasms according to their maturation associated immunophenotypic profile. Oncotarget 2015; 6: 19204–19216.
CD123 について
生体内物質の一つであるインターロイキン-3(IL-3)の受容体で、造血細胞の増殖と分化に関与する細胞表面タンパク質です。正常な造血細胞では CD123 の発現は全く無い、もしくはわずかにある程度ですが、患者さんの BPDCN細胞のほとんどに CD123 が過剰発現しています。
メナリーニ・グループについて
メナリーニ・グループは、売上高47億ドル超、従業員数17,000人超の国際的な医薬品・診断薬の企業です。アンメットニーズの高い治療領域に重点を置き、がん、循環器、肺炎、消化器などにおける製品を提供しています。18の生産拠点と9の研究開発センターを擁し、製品は世界140カ国で販売されています。詳細はwww.menarini.comをご覧ください。
以上
News Release_2025_03_28_1.pdf
PDF
158 KB