好酸球性多発血管炎性肉芽腫症治療剤「NS-229」米国におけるオーファンドラッグ指定受理のお知らせ
日本新薬株式会社(本社:京都市南区、代表取締役社長:中井 亨、以下「当社」)は、このたび、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)を対象として開発を進めている「NS-229」(以下「本剤」)について、米国食品医薬品局(FDA)からオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定を受理しましたのでお知らせします。
米国のオーファンドラッグ指定は、米国での罹患者数が20万人未満の希少疾患に対して開発を行っている治療薬に付与され、その開発と評価を支援する制度です。オーファンドラッグ指定により、上市後7年間の排他的先発販売権が付与されます。なお、本剤はすでに欧州委員会(European Commission)より2024年1月にオーファンドラッグ指定を受けています。
EGPAは原因が完全には解明されていない難治で希少な自己免疫疾患です。気管支喘息やアレルギー性鼻炎の症状が先行し、その後、顕著な好酸球増加を伴い、好酸球性炎症や肉芽腫性病変、壊死性血管炎が副鼻腔、末梢神経、皮膚や肺、腎臓など種々の臓器に現れます。これら病変が引き起こす症状や合併症としては、発熱、体重減少、関節炎、副鼻腔炎、末梢神経障害(しびれ)、紫斑、肺炎、糸球体腎炎などがあります1。
本剤は自社創製のJAK1選択的阻害剤です。T細胞、B細胞及び好酸球など免疫細胞の過剰な活性化を抑制することで組織傷害を軽減する可能性があり、EGPAの諸症状を抑制することが期待されます。
本剤のグローバル第Ⅱ相試験は、当社および当社の米国子会社NS Pharma, Inc.(本社:米国ニュージャージー州、社長:杉山 幸輝)が北米、欧州、日本で実施中です。
当社は、難病・希少疾患治療剤の開発に使命感を持って取り組んでおり、EGPAでお困りの患者さんに本剤を一日でも早くお届けできるよう、今後も一層の努力を続けて参ります。
引用文献
1. Emmi, G., Bettiol, A., Gelain, E. et al. Evidence-Based Guideline for the diagnosis and management of eosinophilic granulomatosis with polyangiitis. Nat Rev Rheumatol 2023;19(6):378-393. doi:10.1038/s41584-023-00958-w
以上
NewsRelease_2025_04_18.pdf
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