IRニュース 2025

2025年11月20日 研究開発
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抗悪性腫瘍剤/ヒト化抗CD20モノクローナル抗体「ガザイバ」未治療の慢性リンパ性白血病に対してベネトクラクスとの併用可能に

日本新薬株式会社(本社:京都、代表取締役社長:中井 亨)および中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:奥田 修)は、本日、抗悪性腫瘍剤/ヒト化抗CD20モノクローナル抗体「ガザイバ®点滴静注1000 mg」[一般名:オビヌツズマブ(遺伝子組換え)]において、電子添文改訂により未治療の「CD20陽性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」に対する抗悪性腫瘍剤/BCL-2阻害剤「ベネクレクスタ®錠10mg・50mg・100mg」[一般名:ベネトクラクス]との併用療法が可能になりましたので、お知らせいたします。

今回の電子添文改訂は未治療の「慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」を対象に、ベネトクラクスとオビヌツズマブの併用投与による有効性および安全性を評価した臨床試験の結果に基づいています。具体的には、アッヴィ合同会社(AbbVie GK)が実施した国内第II相臨床試験(M20-353)、およびロシュ社がアッヴィ社(AbbVie Inc.)、ドイツのケルン大学のGerman CLL Study Groupと協力して実施した海外第III相臨床試験(CLL14/BO25323)等です。

電子化された添付文書情報 ※関係部分を抜粋、下線は変更箇所
改訂前改訂後

7. 用法及び用量に関連する注意

〈効能共通〉

7.1~7.2 (略)

〈CD20 陽性の濾胞性リンパ腫〉

7.3~7.5 (略)

〈CD20 陽性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)

7.6 アカラブルチニブを28 日間投与した後に本剤の投与を開始すること。

7.7~7.8 (略)                 

7. 用法及び用量に関連する注意

〈効能共通〉

7.1~7.2 (略)

〈CD20 陽性の濾胞性リンパ腫〉

7.3~7.5 (略)

〈CD20 陽性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)

7.6 アカラブルチニブとの併用の場合には、アカラブルチニブを28 日間投与した後に本剤の投与を開始すること。

7.7~7.8 (略)

7.9 ベネトクラクスと併用する際の用法及び用量は、ベネトクラクスの電子添文を参照すること。


国内第II相臨床試験(M20-353)について1
未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)又は小リンパ球性リンパ腫の日本人患者さんを対象に、ベネトクラクスとオビヌツズマブの併用投与、およびベネトクラクスとイブルチニブの併用投与による有効性および安全性を評価した非対照、非盲検の国内第II相臨床試験です。主要評価項目は、独立評価委員会(IRC)判定による完全奏効(CR)および骨髄回復が不完全な完全奏効(CRi)率でした。

海外第III相臨床試験(CLL14試験、BO25323)について2
未治療のCLL患者さんを対象に、ベネトクラクスとオビヌツズマブの併用療法を、オビヌツズマブとクロラムブシル(国内未承認)の併用療法と比較した、多施設共同、ランダム化、非盲検の海外第III相臨床試験です。主要評価項目は、治験担当医師判定による無増悪生存期間(PFS)でした。

ガザイバ(オビヌツズマブ)について3
ガザイバ(オビヌツズマブ)は、幹細胞や形質細胞以外のB細胞上に発現するタンパク質であるCD20に結合する、糖鎖改変型タイプII抗CD20モノクローナル抗体です。ガザイバは、標的となるB細胞を直接、および体内の免疫系とともに攻撃し、破壊するようデザインされています。国内では、日本新薬および中外製薬が共同開発・共同販売を行っています。

慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫について
慢性リンパ性白血病では、骨髄中の造血幹細胞が異常なリンパ球となって過剰に増加します。これらの異常細胞は、感染症に対する防御力が低いことが知られています。異常細胞数が増えるに従い、健全な白血球、赤血球および血小板が減少するため4、貧血、感染および出血を引き起こす可能性があります。小リンパ球性リンパ腫は慢性リンパ性白血病と同じ種類のがんで、リンパ球が末梢血や骨髄にみられない場合、小リンパ球性リンパ腫といいます5。慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫は、新たに診断される人が、日本全国で1年間に10万人当たり1人未満と少ないがんです6

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。

出典
1. Japan Registry of Clinical Trials(jRCT)臨床研究等提出・公開システム
2. ClinicalTrials.gov. Comparison of the Treatments of Obinutuzumab + Venetoclax Versus Obinutuzumab + Chlorambucil in Patients With Chronic Lymphocytic Leukemia [Internet; cited 2025 November]. Available from:
3. Maloney DG:N Engl J Med. 2012;366:2008-16. (PMID:22621628) [Internet; cited 2025 November]. Available from:
4. National Cancer Institute. Chronic lymphocytic leukemia treatment (PDQ®)–Patient version. [Internet; cited 2025 November]. Available from:
5. 日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン 2024年版
https://www.jshem.or.jp/gui-hemali/1_5.htmlアクセス日:2025年11月
6. 慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫 国立がん研究センターがん情報サービス
以上
本件に関するお問い合わせ先

中外製薬株式会社

広報IR部

メディアリレーションズグループ

Tel:03-3273-0881

インベスターリレーションズグループ

Tel:03-3273-0554

日本新薬株式会社

広報部

Tel:075-321-9103