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NEWS 2010
Helicobacter pylori 除菌後における胃潰瘍治癒促進にガスロンN®が有効
-IMPACT studyが英国医学専門誌Aliment Pharmacol Ther誌に掲載-
日本新薬が創製、販売している胃炎・胃潰瘍治療剤「ガスロンN®」(一般名:イルソグラジンマレイン酸塩)について、このたびHelicobacter pylori 除菌後における胃潰瘍治癒促進に有効であるという「IMPACT study (Irsogladine maleate, a mucosal protective drug, accelerates gastric ulcer healing after treatment for eradication of Helicobacter pylori infection - the results of a multicentre, double-blind, randomized clinical trial )」の結果が、英国医学専門誌「Alimentary Pharmacology and Therapeutics」(以下「APT誌」)に掲載されましたので、お知らせします。
試験実施責任医師兼論文の筆頭著者である獨協医科大学内科学(消化器) 平石秀幸教授は、「イルソグラジンマレイン酸塩はH. pylori除菌後の胃潰瘍治療に有効であった。除菌失敗例でも高い治癒率が認められたことから、除菌の有無にかかわらずイルソグラジンマレイン酸塩は有用であることが示された。」と述べています。
ガスロンN®は、当社が創製し、1989年4月に粘膜防御性胃潰瘍治療剤として発売され、1994年9月に胃炎に対する効能を追加しました。当剤は、現在胃潰瘍および急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善の効能・効果を有し、これまで20年を超える豊富な使用経験のある薬剤です。
当社では、今後も、今回のIMPACT studyのように質の高いエビデンスを発表していくことで、消化器疾患治療に貢献し続けていきたいと考えております。
■ IMPACT studyの結果概要
試験デザイン:
除菌治療を行ったH.pylori 陽性胃潰瘍患者322例を無作為に治療群(イルソグラジンマレイン酸塩4 mg/ 日投与、150例)と対照群(プラセボ投与、161例)に割り付け、7週間の投与期間後に胃潰瘍治癒率を比較した。
結果:
イルソグラジンマレイン酸塩群の治癒率はプラセボ群と比較して有意に高値であった(83.0% vs 72.2%; χ2検定, p=0.0276)。除菌失敗例を対象としたサブ解析でも、イルソグラジンマレイン酸塩群の治癒率はプラセボ群と比較して有意に高値を示した(57.9% vs 26.1%; χ2検定, p=0.0366)。