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NEWS 2016
当社が創製した肺動脈性肺高血圧症治療薬「セレキシパグ」 について、アクテリオン社が米国で販売を開始しました
日本新薬が創製し、2008年4月にアクテリオン社(本社:スイスAllschwil、最高経営責任者:Jean-Paul Clozel, M.D.)に導出したセレキシパグ(一般名、開発記号:NS-304)について、アクテリオン社が「Uptravi®」の商品名で、本日(米国時間では1/4)より米国での販売を開始しましたのでお知らせします。
以下のリリース文は、アクテリオン社のプレスリリースを参考までに和訳したものです。内容については、アクテリオン社が発表したオリジナルの英文が優先することをご了承ください。
【ご参考:アクテリオン社のリリース文和訳】
2016年1月4日
アクテリオン社 1月4日の米国UPTRAVI (selexipag)発売を発表
- UPTRAVI® –病態悪化を遅延し入院リスクを低下させる肺動脈性肺高血圧症(PAH、WHOグループ1)治療薬として12月21日にFDA承認を取得– が米国にて使用可能となった
サウスサンフランシスコ – 2016年1月4日 – アクテリオン(SIX: ATLN)は、経口投与可能なIP受容体選択的作動薬である肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬UPTRAVI® (selexipag)を、本日米国で発売したことをご報告致します。
UPTRAVIの適応は、肺動脈性肺高血圧症(PAH、グループ1)における病態悪化の遅延および入院リスク低下です。その有効性は、WHO機能分類II度からIII度のPAH患者を対象とした長期試験により証明されました。試験に参加した患者は、特発性および遺伝性PAH(58%)、結合組織病に伴うPAH(29%)、シャント修復済みの先天性心疾患に伴うPAH(10%)でした。
ボストン マサチューセッツ総合病院の肺高血圧症・血栓内膜摘徐術プログラム部長であるRichard Channick, MDは以下のようにコメントしました。
「プロスタサイクリン治療が始まって以来20年を経て、プロスタサイクリン経路を標的とし長期予後の改善が実証されている経口剤UPTRAVIを手にする ことができ、私は大変興奮しております。しかも、UPTRAVIによって、PAHの治療経路として確立済みの3経路をターゲットとする経口剤での併用療法 が可能となります。そのような治療選択肢は、PAHの長期治療法に変革をもたらすでしょう。」
アクテリオン米国法人社長Bill Faireyは以下のようにコメントしました。
「本日の発表は、プロスタサイクリン経路に効果的に作用する新しい経口剤が使えるようになったという、米国のPAH治療において画期的な出来事を意味して います。ERAあるいはPDE-5阻害薬との併用、さらにはERAとPDE-5阻害薬との3剤併用として、予後に基づく強固なエビデンスに裏付けられた新 規経口剤を患者の皆さんにお届けできることを、私たちは誇りに思います。」
肺高血圧症協会(Pulmonary Hypertension Association)会長兼CEOであるRino Aldrighettiは、UPTRAVI発売がPAH関係者に及ぼす影響について以下のように述べています。
「私たち肺高血圧症協会は、重篤な疾患であるPAHの患者ならびに家族の一助となる新たな治療選択肢の登場を歓迎します。私たちは、UPTRAVIによって医師が多くの患者の長期予後を改善することができるよう祈っています。」
UPTRAVIの安全性は、症候性PAH患者1,156例が参加して実施された長期プラセボ比較試験(GRIPHON試験)において評価されました。本試験における治験薬の投与期間は、最長4.2年、中央値1.4年でした。プラセボ群よりもUptravi群においてより高頻度(3%以上)に発生した有害事象は、頭痛、下痢、顎の痛み、吐き気、筋肉痛、嘔吐、四肢の痛み、顔面紅潮、関節痛、貧血、食欲減退、発疹でした。これらの有害事象は、用量漸増期間においてより高頻度に認められました。甲状腺機能亢進症がUptravi群の1%(8例)に発生しましたが、プラセボ群にはそのような有害事象は認められませんでした。
UPTRAVIの市販製剤は以下のとおりです。
200 μg [淡黄色の錠剤、表面に2の刻印]、 400 μg [赤色、4の刻印]、 600 μg [淡紫色、6の刻印]、 800 μg [緑色、8の刻印]、 1000 μg [オレンジ色、10の刻印]、 1200 μg [暗紫色、12の刻印]、 1400 μg [暗黄色、14の刻印]、 1600 μg [茶色、16の刻印]。 処方に関する全ての情報はwww.uptravi.comにてご覧になれます。
以上