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NEWS 2025
抗悪性腫瘍剤「ジャイパーカ®錠50mg、同錠100mg」“他のBTK 阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性の慢性リンパ性白血病”に対する適応追加承認を取得
日本新薬株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役社長:中井 亨、以下「日本新薬」)と日本イーライリリー株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:シモーネ・トムセン、以下「日本イーライリリー」)は、本日2025年9月19日、抗悪性腫瘍剤「ジャイパーカ®錠50mg、同錠100mg」(一般名:ピルトブルチニブ、以下「ジャイパーカ」)について、日本イーライリリーが日本における「他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」に対する適応追加承認を取得したことをお知らせします。
ジャイパーカは、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)に可逆的に非共有結合するBTK阻害剤です。BTKは、慢性リンパ性白血病、マントル細胞リンパ腫を含む多くのB細胞系のリンパ腫および白血病に認められる標的分子です。
今回の承認は、国際共同第III相無作為化比較試験であるBRUIN-CLL-321試験の有効性と安全性の結果に基づいています。本試験は、共有結合型のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性の慢性リンパ性白血病及び小リンパ球性リンパ腫患者を対象に、ピルトブルチニブ群と治験担当医師が選択した化学療法群を比較しています。主要評価項目である無増悪生存期間中央値において、ピルトブルチニブ群では、化学療法群と比較して有意な延長が認められました。
ジャイパーカは国内において、2024年3月に締結したアライアンス契約に基づき、日本イーライリリーが製品供給を担当し、日本新薬が流通・販売および情報提供活動を行います。
製品概要
販売名 | ジャイパーカ®錠50mg、同錠100mg |
一般名 | ピルトブルチニブ |
効能・効果 | ① 他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫 ② 他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性の慢性リンパ性白血病 (小リンパ球性リンパ腫を含む) |
用法・用量 | 通常、成人にはピルトブルチニブとして200 mgを1 日1 回経口投与します。なお、患者の状態により適宜減量します。 |
製造販売承認取得日 | 2024年6月24日 |
薬価収載日 | 2024年8月15日 |
発売日 | 2024年8月21日 |
薬価 | ジャイパーカ®錠50mg 50mg 1錠 10,201.00円 ジャイパーカ®錠100mg 100mg 1錠 19,465.80円 |
製造販売元 | 日本イーライリリー株式会社 |
販売 | 日本新薬株式会社 |
製品画像
ジャイパーカ®錠50mg ジャイパーカ®錠100mg
国際共同第III相無作為化比較試験(BRUIN-CLL-321試験)
本試験は、共有結合型のBTK阻害剤(イブルチニブ、アカラブルチニブ、ザヌブルチニブ等)に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性の慢性リンパ性白血病及び小リンパ球性リンパ腫患者238例(日本人3例を含む)を対象に、ピルトブルチニブ200mgの1日1回単独経口投与(本剤群)及び治験担当医師が選択した化学療法(idelalisib[国内未承認]+リツキシマブ1)の併用又はベンダムスチン+リツキシマブ2)の併用)(化学療法群)を比較しました。主要評価項目である中央判定による無増悪生存期間は下表のとおりで、ピルトブルチニブ群では、化学療法群と比較して統計学的に有意な延長が認められました3)。
表)国際共同第III相無作為化比較試験(BRUIN-CLL-321試験)における成績
a)層別Cox比例ハザードモデルにより算出
b)層別log-rank検定(有意水準:両側0.05)
また、ピルトブルチニブ群の安全性解析対象集団である116例(日本人3例を含む)中61例(52.6%)にみられた主な副作用は、好中球減少症(11.2%)、貧血(7.8%)、下痢(6.9%)、疲労(5.2%)、好中球数減少(5.2%)、頭痛(5.2%)でした3)。
1)1サイクルを28日間とし、idelalisib(国内未承認)150mgを1日2回経口投与、リツキシマブ(遺伝子組換え)375mg/m2を第1サイクルの第1日目に投与した後、500mg/m2を2週ごとに4回、その後500mg/m2を4週ごとに3回静脈内投与。
2)1サイクルを28日間とし、ベンダムスチン塩酸塩70mg/m2を第1~6サイクルの第1及び2日目に静脈内投与、リツキシマブ(遺伝子組換え)375mg/m2を第1サイクルの第1日目に投与した後、500mg/m2を2週ごとに4回、その後500mg/m2を4週ごとに3回静脈内投与。
3)ジャイパーカ添付文書より
慢性リンパ性白血病(CLL)と小リンパ球性リンパ腫(SLL)について
CLLとSLLはいずれも、リンパ球と呼ばれる白血球の一種から発生する腫瘍で、緩徐な経過をとる疾患ですi,ii。日本ではCLLおよびSLLは稀な疾患で、総患者数はそれぞれ7,000人および4,000人と推定されていますiii。CLLと SLLの病理的特徴や免疫表現型は同じですが、体内でがん細胞が存在する場所が異なりますi。CLL では、がん細胞は血液中に存在する一方、SLL では、がん細胞はリンパ節内に存在しますi。
i. Mukkamalla SKR, Taneja A, Malipeddi D, et al. Chronic Lymphocytic Leukemia. [Updated 2023 Feb 18]. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2023 Jan. Available from: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK470433/
ii. The Leukemia and Lymphoma Society. NHL Subtypes. Access here: https://bloodcancerunited.org/blood-cancer/lymphoma/non-hodgkin-lymphoma-nhl
Accessed on October 25, 2023.
iii. 政府統計 令和5年度患者調査
日本新薬について
日本新薬は、経営理念「人々の健康と豊かな生活創りに貢献する」のもと、病気でお困りの患者さんとご家族にとって必要となる特長あるくすり創りを通して、社会から信頼される企業を目指しています。当社が取り扱っている製品等、詳細な情報についてはhttps://www.nippon-shinyaku.co.jp/をご覧ください。
日本イーライリリーについて
日本イーライリリー株式会社は、米国イーライリリー・アンド・カンパニーの日本法人です。日本の患者さんがより健康で充実した生活を実現できるよう、50年にわたり、科学に思いやりを込めて、世界レベルの革新的な医薬品の開発と供給を行っています。現在、がん、糖尿病、アルツハイマー病などの中枢神経系疾患、自己免疫疾患など、複数の領域にわたり日本の医療に貢献しています。詳細はウェブサイトをご覧ください。
【本件に関するお問い合わせ先】
日本新薬株式会社 広報部 (TEL:075-321-9103)
日本イーライリリー株式会社 コーポレート・アフェアーズ本部 (TEL:0120-925-500)
以上