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NEWS 2016
糖鎖改変型タイプⅡ抗CD20モノクローナル抗体オビヌツズマブ (開発記号:GA101)の海外第Ⅲ相臨床試験結果に関するお知らせ
F. ホフマン・ラ・ロシュ(スイス)が第Ⅲ相国際共同治験を実施し、国内では日本新薬(以下、当社)と中外製薬株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役会長 最高経営責任者:永山 治 以下、中外製薬)が、低悪性度非ホジキンリンパ腫および中高悪性度非ホジキンリンパ腫を対象として共同開発を実施しているオビヌツズマブ(obinutuzumab)に関して、ロシュ社より以下の通り発表がありましたのでお知らせします。
以下のリリース訳文は、ロシュ社が2016年5月27日(スイス現地時間)に発表した英文プレスリリースを、戦略的アライアンスを締結している中外製薬が翻訳版(抜粋)として作成し、当社が転用して皆様に提供させていただくものです。
従いまして、日本国内と状況が異なる場合があること、また、正式言語が英語であるため、表現や内容につきましては英文リリースが優先されますことをご留意ください。
英文プレスリリースは、下記URLよりご参照ください。
http://www.roche.com/media/store/releases/med-cor-2016-05-27.htm
Gazyva/Gazyvaroについて
Gazyva/Gazyvaroは、オビヌツズマブの海外における商品名です。国内では、オビヌツズマブの、低悪性度非ホジキンリンパ腫および中高悪性度非ホジキンリンパ腫を対象とした二つの第Ⅲ相国際共同治験(GALLIUM試験およびGOYA試験)に中外製薬が参加し、当社は中外製薬と共同開発を行っています。
2016年5月27日 バーゼル発
ロシュ社のGazyva/GazyvaroはMabThera/Rituxanと比較し
未治療の濾胞性リンパ腫の患者さんにおいて無増悪生存期間を延長
第III相臨床試験であるGALLIUM試験の主要評価項目の早期達成を、独立データモニタリング委員会が決定
ロシュ社は本日、未治療の濾胞性リンパ腫の患者さんを対象とした主要な第III相臨床試験であるGALLIUM試験において、良好な成績が得られたことを発表しました。濾胞性リンパ腫は、最も一般的な低悪性度非ホジキンリンパ腫(iNHL)です。同試験では、Gazyva/Gazyvaro(obinutuzumab)と化学療法(CHOP、CVP、bendamustineのいずれか)の併用後にGazyva/Gazyvaroを単独投与した群と、MabThera/Rituxan(rituximab)と化学療法の併用後にMabThera/Rituxanを単剤投与した群との直接比較により、有効性および安全性を評価しました。
事前に計画した中間解析の結果、Gazyva/Gazyvaroを投与された群では、MabThera/Rituxanを投与された群と比較して、統計学的に有意な無増悪生存期間(PFS)の延長が認められました(治験参加医師による判定)。また、本試験で発現した有害事象は、Gazyva/GazyvaroまたはMabThera/Rituxanと各種の化学療法を併用したこれまでの臨床試験の結果と一致していました。今後、GALLIUM試験の成績を医学会で発表するとともに、承認取得に向けて申請を行う予定です。
ロシュ社の最高医学責任者兼国際開発責任者のSandra Horning博士は、「濾胞性リンパ腫は難治性の疾患であり、再発を重ねるごとに治療が困難になるため、患者さんはより優れた初期治療の選択肢を必要とし続けています」と述べるとともに、「GALLIUM試験は、それぞれを化学療法と併用した際に、Gazyva/GazyvaroがMabThera /Rituxanと比較して無増悪生存期間の延長を認めた、二つ目の臨床試験になります」と語っています。
GALLIUM試験について
多国籍オープンラベル多施設共同ランダム化二群間比較第Ⅲ相臨床試験として実施されたGALLIUM試験(NCT01332968)では、Gazyva/Gazyvaro投与群またはMabThera/Rituxan投与群において、各群とも化学療法と併用した後にGazyva/GazyvaroまたはMabThera/Rituxanを各々最大2年間に亘り単独投与し有効性・安全性を検証しました。化学療法は、CHOP、CVP、bendamustineのいずれかが各医療機関で選択されました。GALLIUM試験には、未治療のiNHLの患者さん1,401名が組み入れられ、そのうち1,202名が濾胞性リンパ腫の患者さんでした。試験の主要評価項目は、濾胞性リンパ腫の患者さんにおける治験参加医師判定によるPFSであり、副次的評価項目には独立評価委員会(IRC)判定によるPFS、iNHL全体のPFS、奏効率(ORRおよびCR)、全生存期間(OS)、無病生存期間(DFS)および安全性が含まれました。GALLIUM試験は、German Low Grade Lymphoma Study Group(独GLSG)、East German Study Group Hematology and Oncology(独OSHO)、National Cancer Research Institute(英NCRI)と共同し、実施しています。
Gazyva/Gazyvaro(obinutuzumab)について
Gazyva/Gazyvaroは、幹細胞や形質細胞ではなくB細胞上に発現するタンパク質であるCD20に結合するように設計された、改変型モノクローナル抗体です。本剤は、標的となるB細胞を直接かつ体内の免疫系とともに攻撃して破壊するよう設計されています。Gazyva/Gazyvaroは、未治療のCLLの患者さんに対するchlorambucilとの併用療法として、70カ国を超える国々で既に承認されています。この承認は、Gazyva/Gazyvaroとchlorambucilを併用した場合、MabThera/Rituxanとchlorambucilを併用した場合と比較して、PFS、ORR、CR、微小残存病変(MRD)などの複数の臨床エンドポイントにおいて統計学的に有意な改善が示された、CLL11試験の成績に基づいています。これに続き、濾胞性リンパ腫の患者さんでMabThera/Rituxan含有レジメンで奏効しない患者さんや、MabThera/Rituxanによる治療後に再発した患者さんに対し、Gazyvaとbendamustineの併用後にGazyvaの単独投与を続ける治療法が、米国食品医薬品局より最近承認されました。この承認は、Gazyva/Gazyvaroベースの治療がbendamustine単独投与と比較して統計学的に有意にPFSを延長した、GADOLIN試験の成績に基づいています。これらの結果を基に米国以外の世界各国の規制当局でも承認申請が進められており、その結果、濾胞性リンパ腫の患者さんで、MabTheraまたはMabThera含有レジメンによる治療を受けたにもかかわらず奏効を認めなかった、あるいは治療期間中または治療後6カ月以内に増悪を認めた患者さんに対し、Gazyvaroとbendamustineの併用後に維持療法としてGazyvaroを単独投与する新たな投与方法について、最近、欧州医薬品委員会より承認勧告が発出されました。Gazyvaは、EUおよびスイスでGazyvaroとして販売されています。
Gazyva/Gazyvaroは、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)に対する一次治療として、Gazyva/GazyvaroとCHOPの併用とMabThera/RituxanとCHOPの併用を直接比較する第III相臨床試験であるGOYA試験など、大規模臨床試験が引き続き行われています。この他に、広範な血液がんを対象として、Gazyva/Gazyvaroと免疫チェックポイント阻害剤や低分子の阻害剤を含む承認済または臨床開発中の薬剤との併用を検討する臨床試験が現在いくつか計画されており、既に進行中のものもあります。
濾胞性リンパ腫について
濾胞性リンパ腫は、NHLで最も一般的な低悪性度の疾患であり、NHL患者さんの5名に1名の割合で発現しています1)。この疾患は、難治性で再発率が高いと考えられています。濾胞性リンパ腫と診断される患者さんは、世界中で年間75,000名を超えると推定されています2)。
本プレスリリースに使用された商標等はすべて法律で保護されています。
参考文献
1. Shankland KR, et al: Non-Hodgkin lymphoma. Lancet 380 (9844): 848-57, 2012.
2. Ferlay J, et al. GLOBOCAN 2012 v1.0, Cancer Incidence and Mortality Worldwide: IARC CancerBase No. 11 [Internet]. Lyon, France: International Agency for Research on Cancer; 2013. Available from: http://globocan.iarc.fr (accessed on 19/05/2016).
以上