尿路結石症を知る

種類と症状

結石の種類

結石の成分は数種類あります。特に上部尿路で90%を超えるのがカルシウム結石で、他の物質とくっついて結石形成をしています3)。中でも特に多いのがシュウ酸と結合したシュウ酸カルシウム結石です。その他には、リン酸カルシウム結石、リン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)結石、尿酸結石、シスチン結石、キサンチン結石などがあります。
尿が酸性かアルカリ性かで結石の成分に影響します。
酸性では尿酸結石ができやすいだけでなく、尿路結石の形成に影響すると考えられています。アルカリ性ではリン酸カルシウム結石やリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)が形成されます。

結石の種類

3)Yasui T, Iguchi M, Suzuki S, et al. Prevalence and epidemiological characteristics of urolithiasis in Japan:national trends between 1965 and 2005. Urology. 2008 ; 71(2) : 209-13.

尿路結石の症状

尿路結石の痛みは「痛みの王様(king of pain)」と表現されるくらい激痛である場合が少なくありません。発作的に激しい痛みが脇腹から背中や腰周辺におこり、吐き気を催し、冷汗をともない顔面蒼白となります。まれに失神する患者さんがいるほどの痛みです。しかし、必ずしも七転八倒の苦しみとは限らず、鈍痛や重苦しさだけのこともあります。結石が尿管の下端にあると、痛みは大腿部、外陰部に放散痛として自覚し、頻尿や残尿感など膀胱刺激症状が生じることがあります。
尿路結石では血尿も多くみられますが、その程度はさまざまで血の塊で出ることもあれば、肉眼では判らないものまでいろいろです。感染があると、発熱、悪寒などの症状がみられます。
結石が左右両方の尿管に同時に詰った場合、片側だけの尿管に詰った場合、尿道に詰った場合では、尿が突然出なくなってしまいます。この場合には緊急で処置が必要となります。