基本的な考え方
日本新薬では、持続的成長を遂げるための原動力は「人財」であると考え、経営方針に「一人ひとりが成長する(社員)」を掲げています。この方針に従って、社員一人ひとりの個性を尊重し、成長・活躍する機会を提供しています。
日本新薬が今後持続的に成長するためには、社員が自己実現や成長を実感でき、ここで働き続けたいと思うような、社員から「選ばれる会社」となる必要があります。そのため、「役割・責任・成果に応じた処遇の実現」「主体的なキャリア形成と適所適財の実現」「心理的安全性の高い組織の実現」「柔軟な働き方の実現」の4テーマに取り組み、性別や国籍、年齢など個人の背景に関係なく活躍できる制度や環境を整えていきます。また、人財の確保に関しては、計画的にキャリア採用も実施しており、全社員の4%を占めるキャリア人財も高い専門性を発揮して活躍しています。今後は新卒・キャリア採用を通じてグローバル人財を増やしていきます。
役割・責任・成果に応じた処遇の実現 | 主体的なキャリア形成と適所適財の実現 | 心理的安全性の高い組織の実現 | 柔軟な働き方の実現 |
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役割・責任・成果に応じた処遇の実現
担当する業務の職務内容や権限・責任範囲、必要な能力・経験、目標や評価方法などを定めたジョブ・ディスクリプションを検討しました。役職・ポジションに求められる役割、責任、経験や能力を明確にすること、役割や責任などに応じた処遇を実現すること、求められる経験や能力を公開することで、その役職・ポジションを目指す人が自己育成計画を立てやすくすることを目指しています。また、業務におけるチャレンジを評価に反映できるように評価制度を見直すとともに、これまでの年齢や経験に応じた処遇を見直す賃金制度改革や昇格年数の短縮にも取り組んでいます。
主体的なキャリア形成と適所適財の実現
目指すべき役割と自分とのギャップを客観的数値で把握するために、幹部職を対象にコンピテンシーサーベイを導入しています。また、多様な人財が活躍することを目的とした、社員の自律的キャリア形成を支援する人財育成プログラム「NSアカデミー」を検討しました。日本新薬の持続的な成長に欠かせない3つの人財を「変革(Change)/グローバル(Global)/プロフェッショナル(Professional)」と定め、それぞれに「Career/Basic/Skill up/Challenge」の4つのカテゴリーでプログラムを定めています。
将来の経営者の育成
2007年から継続していた次世代リーダー育成プログラムを、「HONKI塾」(Change/Challenge)へと見直しました。自己啓発プログラムの受講、経営層から提示される経営課題への挑戦など、次世代の経営者に必要となる知識・スキル・態度を身に付けることを目的にしています。自己啓発プログラムを提供するほか、経営層との対話機会を拡充させています。
グローバル人財の育成
グローバル展開の拡大に伴い、グローバル人財育成のための支援や研修も充実させています。「グローバルマインドセット研修」(Global/Basic)など、グローバルに対して前向きかつフラットに向き合うマインドを醸成するプログラムを提供しています。2023年度は新入社員68名と昇格者81名が受講しており、新入社員には必修としています。「語学学習支援」(Global/Skill up)は、英語をはじめとする語学力の自己啓発支援プログラムです。学ぶ英語ではなく使う英語をコンセプトとして、新たに英語スピーキングテスト「PROGOS」(Global/Skill up)を導入し、通算349名が受講しました。
また、当社の次世代を担う社員が、グローバルビジネスを理解し、知見を広められるよう、海外の大学および研究機関などに留学する機会を提供する「海外留学支援制度」(Global/Challenge)を整えています。専門分野の知識習得や人脈形成だけでなく、異国・異文化での生活支援、グローバル人財の育成、チャレンジ精神の向上も目的としており、自らが選定した研究機関への留学を支援する制度(自主選定型)に加え、会社が選定した研究機関への留学希望者を公募する制度(会社選定型)も運用しています。
DX人財の育成
当社では、デジタル時代に適した組織づくりとDX人財の育成に注力しています。「全社員のIT/DXリテラシー向上施策」と、「選抜型DX人財育成プログラム」の2本柱とし、これまでのべ、1,493名が参加しています。
「全社員のIT/DXリテラシー向上施策」(Professional/Skillup)では、Di-Lite*1に準じた資格取得支援や社内外の講師によるDX社内Webinarのほか、業務に直結するITスキルの向上を目的に入門講座『マナンデジ太ル』を開講しています。また、「選抜型DX人財育成プログラム」(Professional/Challenge)では、データサイエンス力、ビジネス力、データエンジニア力の3つのスキルに分類し、基礎編と応用編に分けて、各半年間の研修を実施しています。
- *1 Di-Lite:デジタルリテラシー協議会が定義した、すべてのビジネスパーソンが、共通して身につけるべきデジタルリテラシー範囲
競争力を生み出す人財の育成
日本新薬では、博士学位取得を希望する研究・技術職を支援し、研究・技術力の向上を図るために、博士号取得支援制度を運用しています。また、MBA(経営学修士)取得支援制度(各年数名程度)によって経営幹部を目指す人財を育成し、組織全体の活性化を図っています。MBAホルダーは約50名、全社員の博士・修士の比率は36.2%です。
キャリアを自律する人財の育成
30歳/40歳/50歳/55歳の社員を対象に、「キャリア開発研修」(Career)を行っています。自分らしい働き方、活躍の在り方を考え、今後のキャリアを切り開くためのプログラムであり、節目の年齢を迎えた全社員が受講します。
そのほか、マネジメント能力だけではなく業務に必要な専門性を評価するための専門職制度の拡充、キャリアプラン形成と部門間の交流を目的とした他部門での業務体験や社内公募制度などを充実させ、社内での多様な働き方を支援していきます。社外においては、2022年8月に副業制度を導入しました。副業制度により、社内では得られない知識・スキルを獲得すること、多様なバックグラウンドを持つこと、自律性・自主性を育むことなどを支援し、社員の成長を後押ししていきます。
心理的安全性の高い組織の実現
上司と部下のコミュニケーションを活性化させる1on1ミーティングの実施を促進するほか、社員同士では社内称賛アプリケーションを導入し、ウェルビーイングな職場環境の醸成を目指しています。また、匿名で上司の日ごろの言動について回答した結果を総合的にまとめ、能力発揮度合いや「強み」と「弱み」をフィードバックするリーダーシップアセスメントを実施しています。
日本新薬では、2018年より健康経営に注力しており、毎年実施していたストレスチェックに加えて2003年からエンゲージメントに関する従業員支援プログラムを実施しています。しかし、ストレスチェックはあくまでもセルフケアの一環ということもあり、組織のエンゲージメント向上を目的とした施策にまでは落とし込めない課題がありました。より深く組織としての課題解決や、社員一人ひとりのウェルビーイング実現を目指すため、2023年春にエンゲージメントサーベイ*2を新たに導入しました。「エンゲージメント」に関する3項目*3それぞれでポジティブ回答率*475%以上を目指し取り組んでいきます。
- *2 エンゲージメントサーベイはQualtrics 社のサーベイを使用
- *3 エンゲージメントに関する3項目は以下のとおり
- ・「当社では、仕事を成し遂げるために求められる以上の貢献をしようという気持ちになる」
- ・「私は、仕事を通して個人として達成感を得ている」
- ・「私は、当社を良い職場として、知人に勧めると思う」
- *4 ポジティブ回答率:5段階評価で「非常にそう思う」、「そう思う」と回答した割合
柔軟な働き方の実現
日本新薬では、柔軟な働き方を可能にし、生産性を高め、ライフワークバランスの調和を図ることを目的として、フレックスタイム制度・テレワーク制度・時差勤務制度を導入しています。フレックスタイム制度の導入部門については今後も拡充していく予定です。
2022年4月の育児・介護休業法改正に当たっては、育児休暇の取得を希望する人は誰もが安心して取得できるよう社長から育休取得応援メッセージを社内に発信しました。また、法改正に加えて育休の一部有給化(連続5営業日以上取得の場合、通算14日まで有給)も実施しています。その結果、2022年度は育休取得率が76.1%となりました。女性の育休取得率は100%であることに加え、男性は2021年度の50%から69.3%に上昇しました。
社員同士がお互いを信じ、理解して、希望すれば誰もが安心して育休を取得できる職場は、育児に限らず私生活においてさまざまな事情を持つ社員にとっても、働きやすい職場となります。そういった職場を実現するために、お互いの立場や事情の違いを認め合い、お互いに助け合う文化を作り上げていきます。
人財育成
項目 | 単位 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
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新入社員研修 | 回 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
新任管理監督者研修 | 回 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
コンプライアンス部門研修 | 回 | 12 | 12 | 12 | 12 | 12 |
項目 | 単位 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |||
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述べ | 一人あたり | 述べ | 一人あたり | 述べ | 一人あたり | ||
階層別研修時間 | 時間 | 13,070 | 7.2 | 18,296 | 10 | 19,015 | 10.2 |
自己啓発(手上げ制)研修時間 | 時間 | 19,381 | 10.7 | 18,835 | 10.3 | 71,477 | 38.3 |
研修時間計 | 時間 | 32,451 | 18 | 37,131 | 20.3 | 90,492 | 48.5 |
従業員一人あたりの教育研修費 | 千円 | 79 | 83 | 84.9 |